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第4章:働かざる者、食うべからず
翌日、俺は村の若者たちと共に農作業に駆り出された。
どうやら、「働かないと食べさせない」というシンプルなルールらしい。異世界でも、生きるためには労働が必要ということか。
「ここを……こうやって掘るんだな?」
「ガル!」
たぶん「そうだ」という意味だろう。若者は鍬を持って、畑を耕す動作をしてみせた。俺も見よう見まねで鍬を振るう。
「……重っ!」
農具は思った以上に重く、土は硬い。都会暮らしの俺にとって、これはかなりの重労働だった。
だが、やるしかない。
俺は汗を流しながら、ひたすら畑を耕した。土を掘り返し、種を撒き、水をやる。ひたすら繰り返し、日が暮れる頃には体中が悲鳴を上げていた。
「……こんなに疲れるのか」
でも、これが生きるってことなんだろう。
異世界に来て、チート能力もない。魔法も使えない。だが、努力すれば何かを得られる。
そんなシンプルなルールの中で、俺は少しずつ「生きる方法」を学んでいった。