第1章 繋がる人たち。
新しく書き始めましたよろしくお願いします!
人間とは自分に害を加える者とは普通仲良くなどなりやしない。
だが、その人間が今を生きる上で必要不可欠ならば表面上だけでも付き合うこともあるだろう。
しかし、自分には全く意味の無い存在だったら? 害を加えるだけ加えて徳を全く生み出さない人間だったら?
ほとんどの人間が仲良くなる事もないだろう、嫌……むしろ空気と扱うのかもしれない。
それが人間と言う生き物だ……。
だが――――もし……もしの話だが、害を加え徳を生み出さない人間が、「助けて!」 と言ってきたら?
心が清い者なら、その人間を何も言わずに助けるだろう、嫌そもそも、害を加えるだけ加えて徳を全く生み出さない人間何て思うことは無いだろう。
だが世界は広いと言っても、心が清い者なんてのは数が少なすぎる。
害を加えるだけ加えて徳を全く生み出さない人間が「助けて!」と言ったのが、心が清くないものならば? もし普通の人間ならば?
たぶんその人間を助けるかどうかは、助けを求められた人間の心の善悪の多さで決まるのではないのだろうか?
人間はそんな生き物……と思わないかな?
周りを見渡しても何も無い場所……嫌――――何かによって吹き飛んで何も無くなってしまっている場所、そうやって比喩したほうがしっくりするかも知れない、そんな場所にあると言えば金属のゴミと一人の人間――少年と呼ぶべきだろう歳の男が仰向けで倒れている、その姿は荒れ果てたものであった。
一般用語で雨と呼ばれている物質が少年に降りかかってくる。
少年はビクつきながら右手を挙げていく、何かを求めるように。
さらに左手も同じように挙げようとしたが、ピクピク動くだけで全く挙がらない。
少年は左手を見るためにゆっくり顔を動かす、少年が見たものは曲がらないはずの方向に向いている自分の腕だった。
少年はため息をついて右手に顔を向けなおすと下唇を噛む。
今の少年の体の中で動くのは右手だけのようだ。
足には金属のゴミが積み重なっている、この状態から立ち上がったりする事はできないだろう。
すると雨が段々強くなってくる、それに比例するように太陽の光が雲によってどんどん遮られている、その光景を見ている少年の気持ちに不安が募っていく、だが少年はその不安が悲しみだとすぐに気づいた。
何故気づいたかは、少年自身も分かっていないようだ。
少年は右手を太陽の光に重ねてみると、掴むように手を握りこむ。
しばらくそのまま動かないでいたが、太陽の光が雲に隠れると少年はゆっくり手を胸に下ろす。
そこで少年は自分の心に疑問を持つ、たった今悲しいと思っていたはずなのに何故か達成感と呼べるものが心の中でうずいていた。
何故だか嬉しかったそして悲しかった。
「恵美……」
少年は自分で言って首をかしげる。
「誰だっけ……恵美って?」
少年は強くなっている雨を受け入れているようだった。
その様子は少しだけ……ほんの少しだけ、神のように見えた。
「俺は誰なんだ?」
そう言ったと同時に少年の目に雨が入る、しかし少年は目を閉じる事も無く何かを見続ける。
目に入った雨が目からこぼれ落ちた、涙のようで涙ではなかった。
少年はゆっくり目を閉じた……。
こうして一人の人間――――心が清い者の人生は幕を閉じた。
もし、この少年が助けた人間が、この少年の今の顔を見たらどんな反応をするのだろうか?
それは今ではもう確かめようの無い事である。
だがこれだけは言える、この少年は自分の思った通りにやったのであろう。
少年の顔はすばらしく綺麗な笑みだった……。
少しだけ過去の話をしよう、彼……嫌、彼らが何故こうなったか?
興味が出ないか?
俺は朝が駄目だ……眠いから、そして夜も駄目だ……眠いから。
こんな俺の意見に賛同してくれる奴はいないだろうか?
いたら今すぐ俺と一緒に新しい法律を作ろう、一日10時間は寝ることって法律をさぁ……。
「起きろ~~~~下原~~~~~~」
「ごふぅ!」
俺の腹の上にかかとがあるだと!
「かかと落しで起こすなって何回言わせるんだよ、テメーは!」
「起きないお前が悪い!」
「理不尽だ! そして今何時だ?」
「約9時30分だ」
何て事だ今日はまだ約9時間30分しか寝てないじゃないか、このままでは禁断症状が……。
「寝る、せめて後30分は寝る!」
「駄目だ! デートが待っている!」
「デートじゃね~って言ってんだろうが」
いかん、自分でも分かる今俺は顔が火照ってる!
つか紹介しよう、この騒がしい野郎は俺と同じ寮、部屋住んでいるつまりルームメイトだ。
名前は野荒狼似ゾクに言うイケメンだ、髪は黒で軽くロン毛で高二、こいつがまた腹が立つ事ばっかやりやがって、一個一個言っていくと3時間はかかる。
うんでもって、俺が下原拓矢髪は短く黒髪で常に寝癖MAXで常に制服、寝るときも制服、風呂以外は制服だ! そして高二。
こんな俺たちなのに何故か気だけは会う、何故だかね?
実はこの寮から、5分ぐらいで実家に着くぐらいの近さなのだが、少しでも学校に近ければよいと思って寮に住むことになってこいつとあったのだが……まぁ、いつか説明するとしよう。
今回は特別に狼似の腹が立つ事を一つ教えよう。
それは狼似が俺の妹こと下原恵美の事が好きだ! と言う事だ。
皆妹を持っている人なら分かってくれるだろう! 同級生のイケメンに可愛い妹が取られてしまった上にこんなイケメンにお兄様と呼ばれるのは勘弁願いたい、考えたら吐き気をもよおす。
「デート、デート!」
「え~ぃ、抱きつくな~」
「ふなゃ!」
俺が狼似の腹を思い切り蹴っ飛ばすと変な声が出た。
それと、こいつがさっきからデートデートうるさい理由は、今日妹と会うのだ、久しぶりにね!
妹は違う学校の寮なので会うことが少なかったのだ。
「今日どこ集合だった?」
「ちょっと待て、何故身だしなみを整える?」
「何を言っている、俺も行くからに決まっているからであろう!」
こいつ! 俺が久しぶりに妹と会うのについて来るつもりか!
待てよ? だからさっきからこいつはデートデートうるさかったのか?
俺はてっきり冷やかしかと思っていたのに。
「恵美ちゃんと会うのは久しぶりだな~」
「やめろ、何か気持ち悪い!」
一瞬だけ眉毛を動かしてこっちを向く。
「それより、集合時間は?」
「集合時間11時のはずだが?」
「集合場所は?」
「表町だってよ」
「なるほど、さぁ~行こう!」
「待て、何故そんなに準備するのが早いんだ? そして集合時間にも早いぞ!」
「恋に時間は関係ない!」
「使い方まちがえてるし!」
「そして、愛はキスが必要だ!」
「お前人の妹に何をするつもりだ!」
「キスだ!」
「あいつには、まだ必要ない!」
「恋に時間は関係ない!」
「会話がループした!」
はぁ……はぁ……会話で疲れるのこいつの時ぐらいだ。
「相変わらず、電話帳いっぱいだな~」
「何勝手に見てんだよ! つか何時取った?」
勝手にケータイ奪ってやがった。
「ケータイ見るのは犯罪か? そして5秒前に取った!」
「プライバシーを守ってくれよ!」
「嫌だ!」
「一言で却下かよ!」
いやそれより俺はお前に言わなきゃならない事あるんだ!
「プライバシーで思い出した、良く聞け狼似! お前少し自重しろ!」
「何をだ? ケータイか? 安心しろ俺のケータイはロックが常日頃かかっている。」
「ケータイじゃない! そしてロックがかかってんのは、ロックナンバー忘れたんだろ!」
「そんな馬鹿な!」
「どうした?」
「反論できない!」
「たりめ~だ!」
いかん話がこじれた。
「ちょっと黙って聞け~!」
「仕方ないな、話を聞こう!」
「よし、良く聞け! お前これからは――――」
面白く、楽しく、怖く、悲しく、嬉しく、切なく。していきたいと思います。
よろしくお願いします!