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6、お姫様の手(写真あります)
そんなお姫様ですが、かまど係の奴れいになる前の、美しい白い小さな手を取り戻したいと思って、毎日最高級アーモンド油で手をマッサージしたり、指の体操をしたりしました。
しかし、いったん節も太く、大きくなった手は、お姫様がどんなにがんばってももとのようには戻りませんでした。そのことをお姫様はかなり後になって、子供が二、三人できた後にもまだ気に病んでいました。
夫である油売りの男は、「その手はあなたが一生懸命働いてきた証だよ。だから、そのままでいいのだよ」と言って、お姫様の大きな手をことのほかいつくしんだ、ということです。
「終」
タシケントのウズベキスタン国立応用美術館にあった絵皿(近代のものです)
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