第五話 熾天使君臨。
またまた本日二回目。
より強い奴等が部下を従えて学校の頂点に立とうとする。
弱いやつらは強きものにすがるしかない。
科学文明の現代に弱肉強食はないと思われているがそれは違う。
現にサラリーマンもいれば、社長もいる。
社長は大企業になろうと奮起し、サラリーマンは精一杯がんばり、社長へ貢献する。
昔からなにも変わっていないのだ、人間は。
◇◆◇◆◇◆
「さて、今はどんな状況なんだ?」
そう、全く興味が無かったので気にしていなかったが、まさかそんなことになっているとはね。
「はい。現時点で最強と思われるのは『Xstorm』と思われます。学年混同、実力主義のチームです。リーダーは3年の日山浩輝先輩です。」
なんじゃそりゃ。エックスストーム?厨二病かいな。
「ほう。」
適当に相槌を打ってみる。ちなみにいま答えてくれたのは、2年の仲村優香。
「ほかにも『7star』や、『最強連合』、『THE・orga』、『Dragonis』などがありますね・・・」まさかの全部厨二病。
こう答えたのは2年の山田騰貴。
他にも
名村香織
宗田礼太
島田優
田辺健汰
全員二年生だ。
さて、どうするか。力を付与することは可能なのだろうか?
《可能です。》
了解。任せるよ。
《了解しました。ユウカ・トウキ・カオリ・レイタ・ユウ・ケンタの六名に、魔力を使用して能力を与えます。》
「「「「「「えっ!?なに?!」」」」」」直後、光に包まれるたと思ったら、次に見えたのは・・・
とんでもない魔力量を誇る六人だった。
「え?!凄い!よくわからないけど全く前と違う感覚!」
「な、なんだこれ。力が凄い。」
「以前と比べ物にならねぇな・・・」
と、口々に言い出す。
《単純計算で、彼らの魔力量は以前の5万倍になりました。尚、ゼウス様は“無限魔力”があるので問題ありません。》
5万!?!?
とんでもない数値をいい放ちやがった。
つまり六百万も魔力を持っていかれたのか。
《ちなみにゼウスさまの魔力量は8000億以上です。》
・・・・・は?
「「「「「「祐介様!ありがとうございます!」」」」」」
混乱していると一斉にお礼された。
「お、おう!頑張るぞ!」
はぁ、先が思いやられる。というかこいつらだけで頂点とれるだろ・・・などと心のなかでぼやいてると、
「じゃあ、チームの名前どうしますか?」
「え?」
「え?」
「・・・え?」
「チームの名前ですよ!格好いいのがいいですよね!」
マ、マジかぁぁぁあ!
俺もあんな厨二臭い名前にしなきゃいけないのか!?
・・・ま、実はもう考えてあるんだけどね。
「・・・決めた。俺たちは『seraphim』だ。』
「「「「「「っぉおおおおおお!」」」」」」
歓声が巻き起こる。
そう。セラフィム。熾天使。天使の最上位。
そしてこいつらにも、
「優香、お前はラファエルだ。」
「え!?えええええ!?」
「騰貴、お前はウリエル。」
「は?は!?」
「香織、お前はガブリエル。」
「・・・はい?」
「健汰、お前はミカエル。」
「ふぇ?」
「優、お前はルシフェル」
「ひゃい?!」
「礼太、お前はサリエル」
「ん?!俺!?」
「そう、俺たちはこの学校で最上位に君臨すべき存在・・・“熾天使”だ。」
「おおおぉおぉぉお!」
さぁ、強さの壁をぶち壊す時だ!
まず、本拠地は俺の家になった。
秘密基地が礼太の家。比較的学校から遠いしな。
情報偵察基地が優香の家だ。学校から近い上に、優香は学年で一二を争う秀才。これはぴったりだ。
他は特に無いが、他の家にもよく行くことになるだろう。
チャットグループもある。
正しく唯一無二の最強チームである。
◇◆◇◆◇◆
クックックックッ。
俺は日山浩輝。
うちの中学校で最強のチーム、Xstormのリーダーだ。ある日突然雷が操れるようになったかと思ったら、次々と学校で争いが起きた。なかでも俺のクラスの3-2組は猛者揃いで争いが激しかった。
俺は自分の手でクラスの猛者を叩き潰し、クラスの頂点にたった。
そしてクラスを纏め、最強のチームを作り上げた。
次はこの学校のチームすべてを潰し学校の頂点に立ち、やがて日本、世界の頂点に立つ!それが俺の目標だ。
そんな俺にも悩みがある。
殆んどなんのちからもないカスどもが来るのだ。
身の程知らずめ。何でお前らは寄ってくるんだ・・・
特に目立ったのは六人の2年だな。ほんとになんの役にも立たない。もちろん見捨てたさ。
ん?なんだ?六人であそこ固まってんな。・・・ん?なんだあのイケメンは?前は居なかったよな。カスが増えたか?何人いても変わらねぇだろ、全く。そういえば俺らも軍資金がねぇな。
クックック、じゃあ迷子のカス共に金をもらう
としますか。
そのとき彼は知るよしも無かった。
この選択が彼の築き上げたものを全ての失うことになることを・・・
次回も気長にお待ちください!