第二話 騒がしき中学校
意外とネタが思い付く。
ゲームをしていたらあっという間に日が暮れた。
親が勉強しろと喚くので、“神速演算”+“思考加速”を使用して、溜まっていた学校のワーク等をすべて終わらせる。真面目に勉強している人たちごめんなさい!僕には優秀な“究極之叡智”がいるんです!
ちなみに神速演算は通常の人の七千億倍の速度で完璧な計算ができる。そして思考加速はそのままで、八千万倍の速度の思考が出来る。定期テストを八千万倍は長すぎるので、そこは調節するが。
そもそも神速演算使えば一秒にも満たずにテストなんざ終わるのだ。
・・・・まぁ親が散々に発狂し、放送事故レベルの顔をしていたのは言うまでもない。
そしてとうとう、学校生活が始まる。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「いってくるよ。」そう言って、家を出た。
“瞬間転移”で直ぐ行けるのだが、転移した先に何が起こるかわかったもんじゃない。
曰く、《この時間帯に校門の前に生徒がいる確率・・・99.997695%です。》だそうだ。ダメだこりゃ。普通に歩いて行こうか。
学校に着いたが、ここでめんどいやつに出逢う。
クラスの中心。陽キャオブ陽キャのイケメン、齋藤蒼真だ。因みにふだん俺が近づいただけで、親衛隊のホモどもには、「おい、三メートル以内に近づくんじゃねぇよ。ニートが移るだろ?」などと馬鹿げたことを言ってくるし、くっついてる女共・・・6人。まさにハーレム。そいつらにはめっちゃ睨まれる。ガチでダルい。というか、廊下の幅三メートルもねぇよ!って叫びたいが、昔の俺には出来なかった。今は楽勝だが。
「おいニート。近づくなって言っただろ?蒼真様に近づいてんじゃ・・・・!?」
そう。言い忘れていたが、かなり容姿を整えてみたのだ。暗いイメージで気にされてない上に、蒼真がいるから全く目立っていなかったが、元々の顔は悪くない方だったと思う。流石に蒼真まではいかないが、割りと小学生時代はモテた。その上、今回は“自由変化”を使用して、面影はそのままに顔を整えてみた。蒼真に並ぶ。いや、上回るほどの顔にしてみたのだ。面影はそのままなので違和感は全くないが、思わず二度見する程だった。目の前の親衛隊2号・・・鈴木浩介もびっくりだ。言葉が出ないでいる。女共は全員目を見開いているのだ。
参ったな、やめときゃよかった。俺にも親衛隊などが出来たりでもしたらめんどくさいことこの上ないのだが。まぁいい。
「おはよー。」
「!!??」
再び雷鳴!漫画だったら背景に雷が落ちていただろう。
“音感操作”でイケボにしてみたのだが、これは声変わりということでどうとでもなる。その上俺は殆ど喋らないのだ。
つまり彼らからしてみたら『こいつってこんなイケボだったのか!?』という感じだ。
なんにせよこいつらと関わる理由はないのだ。
無視して教室に行こうとするが、天はそこまで甘くない。俺も神なのにね。
「あ?誰だてめー?あぁ、ニートか。どけよ。」そう喋りかけて来たのはクラスの不良、大竹雄二である。正真正銘、まさにヤンキー。三度の飯よりいじめ。そんな言葉が浮かぶ。しかも三人組なのだ。蒼真ですら怖じ気づいている。
「なんだよ。」
「あ?ニートが誰に向かって口きいてんだゴラァ!」そういうと、ゆっくりゆっくりと拳が飛んでくる。これでも思考加速5倍しかしてないが。俺はそんなもの軽くよけ、回し蹴りを放つ。
「ゴブゥ!?」
そう言って吹き飛ぶ雄二。ちなみに蹴りの速度も5倍である。
雄二くん、ここで吐くのはやめろよ?俺の願いも虚しく、雄二くんリタイア。先生方が集まってきたが、俺は適当に説明して終わらせた。本当なら良くないが、先生も関わりたくないのだ。正真正銘のクズ共である。
ヤバイな、学校に着いただけでこれかよ。
この先、とんでもなく厄介なことになりそうだ。
次回も見てください!