第九話 彼らの日常
さて、三日間の猶予があるわけだ。そんななか彼らはとても悩んでいた。どんなことかって?
そりゃあもちろん・・・
「なあ、なにしたい?」
俺が問うと、
「カフェいこうよ!近くのショッピングモールでもいいし!」
と優香。
「お!いいねぇ!あそこゲーセンもあるし!なんでもできるよな!金さえあれば!」
と騰貴が言うが、
「いや、その金がないんだわ。金さえの金がなくてどうすんだ。」
と礼太が鋭いツッコミ。
「べつにいいんじゃないの?暇だし。」
と優は言うが、それはおかしいと思う。
いや、なんでだよ!?と他の人からしたら10人中9人は思うだろう。理由は言わずもがな、三日後にはバk・・・日山先輩率いるXstormが攻めてくるのだ。
そんな普通なら緊迫する状況のことは全く頭になく、悩んでもいない彼らは、何処に遊びに行くかという極めてくだらないことで悩んでいた。そもそも遊びという時点でおかしいだろ!?と思うのが普通である。学校最強(仮)のチームが攻めてくるというのに、作戦もなにもたてずにカフェがどうたらと話しているのはこの集団だけだろう。ましてや暇なら少しは作戦でもたてろよ!とは突っ込んだら負けである。
結局ショッピングモールに行くことになったのだった。
◇◆◇◆◇◆
「お!きたきた!おーい!」
と優香が呼んでいる。
僕らは駅前で集合することになっていた。
あのあと一旦解散し、そのあとの事である。
・・・まぁ転移出来るので本当に一旦だが。
「わり、遅れた。」
「もう!遅いよ?」
「怒るならバス会社に怒ってくれ。バスが4分29秒も遅れてやがったからな。」
「転移使えば良かったのに。なんで?」
「おま、一般人にも魔法が使える人が多いからって転移したら不味いだろ!」と、騰貴が反論するが、
「へ?気配遮断使えば良いじゃん。」
と、優香はあたりまえでしょ?とでも言うかのようにさらりと反論を否定する。それに対する男性陣はと言うと
「「「「・・・あ。」」」」
男性陣、無能の集まりである。
結局それからは色々なことをした。フードコートで昼食を食べたり、女性陣の買い物を手伝ったり、ゲームセンターで音ゲーで対決したり・・・というか香織めっちゃ上手かった。絶対こういうのやらなそうなのに。割りとあっという間にすぐ一日が終わった。
「ふー!楽しかったぁ!」
「そうだな!てかお前ら買い物しすぎだろ!女子って皆こうなのかよ?」
「あたりまえじゃん!女子にとって買い物は天国だからね!」
「へぇー。パシリのプロでも目指してんのかよ。」
「いや違うだろ。」
と礼太がまたしても鋭いツッコミ。しかし顔は笑っている。皆も爆笑した。
「明日はどこ行こっか?」
「買い物はもう勘弁な。」
「遊園地でも行く?」
「スキーとか?」
「ま、グルチャで詳しく決めようぜ。」
と、平和な会話が続く。あれ、なんかおかしくね?
こいつら攻められんじゃなかったっけ・・・
次回も気長にお待ちください。