~27~ ふたりの森行きさんぽ道⑩
リリス手作りの美味しいサンドイッチをぺろりとたいらげる。お腹が空いてたのもあってあっという間だった。
「ん、ごちそうさま。トマトと鶏、間にはさんだチーズのサンドイッチ、美味しかったよ。こんどは僕がなんか作ってお弁当にするよ」
「それは楽しみです。それじゃ行きます?」
「ん、そうだね、いこうか」
さっきまでサンドイッチを食べていた手を着ている服で軽く拭うと、立ち上がる。
出発の準備をちょうど終えたリリスがまだ敷物がわりの外套にまだ座っているので手を差し伸べて、立ち上がるのを助ける。
ぱんぱん、と外套を払い魔法の道具袋にしまい森の方へ歩き始める。
遅れてリリスもついてくる。
森の中は当たり前ではあるがやはり、それなりに整地された道と違いあるきづらい。
所々に木の根が地面から剥きだして出ており、足を取られそうになる。
「それで、ジド。森の中で川を探して歩くアテはあるのですか?」
「ヒヒヒ、まかせてくれ。ガイドに連れられてだけど、いくらでもこういう森は歩いてきたんだ。いくらでもあるよ。コツだってね。」
「それは頼もしい。それで?」
「なんてこたないサ。水の匂いと音で探す。しっかり探せばそんなにかからないはずだよ。」
「…その辺は斥候系の技能ですね。私はその辺りからっきしですのでよろしくお願いします。」
「おうともよ、大戦艦に乗ったつもりでまかせてくれサ。それに」
言いながら上方へ視線やり、見上げる。
木々は高く、枝は太く、日光を奪い合うように葉を広く広く伸ばしている。
凄くいい感じだ。
それに木々の間隔もすごくいい。ほぼ等間隔で広がっていて足元は強い根で歩きづらい。
出来すぎている。これだけ状況が整った森なら戦う前に敵戦力を5割、いや7割は削れる。
ヒヒヒ、と思わずいつもの意地悪い笑みがこぼれてしまう。
その横でリリスが、びくっと驚いていた。
「ああ、ごめんネ。これからの計画を考えてたらちょいと笑いがこぼれちまった。」
「それでどうするんです?」
「僕は、今回は梟と豹になってみようと思うンだ。ヒヒヒ」




