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〜24〜 ふたりの森行きさんぽ道⑦

さて外村、クルツ村を離れあるき続けて大体2、3時間ほどだろうか。

だいぶ歩いたのもあるが、僕も彼女も軽装とはいえそれなりの装備で歩いている。

魔法の道具袋はしまった物の重量をほとんどどっかにやってしまうようで、そのあたりは苦労していない。単純に今着てる防具や武器の重さだ。

革鎧、とはいうがそれなりにやはり重い。各種投げ短剣を仕込んだホルスター両足の腿に一個ずつ、計2つに10本ずつほど。軽めの短剣とはいえ普通に鉄の塊だ。これもそれなりの重さになる。


要するに少し歩き疲れたのだ。いやはや、自分のスタミナのなさに嫌気がする。これならTGH(頑強さ)に少し振っておけばよかったか。まぁ後の祭りだが。

まぁリリスは不死属だから疲れを感じない筈だけど僕は少し疲れた。

僕はもともと、沈黙は嫌いじゃないけどどちらかといえばおしゃべりな質だ。

黙れと言われるまで喋り続けるようなやつではないと自覚しているがそれでもお互いだまり続ける沈黙の、あの独特の空気感が苦手だ。

もともと、はじめは他愛のない話をしながらクルツ村を出たが、疲れがじわじわ出てきたのか口数がどんどん減っていったり、話のタネが尽きたりなのかで今じゃお互い黙りこくっている。

やはり沈黙は苦手だ。なにか話のタネでもなかったか思案する。


「…そういえばなんだけどサ?これから向かう亜人の森ってどんな亜人達が住んでるのサ。一応聞いときたいな〜」


黙っていたリリスも、ふぅ、と溜め息をついた。

面倒だったか?


「そういえばジドは異世界から流れ着いた人でしたね。いいですよ。ちょっとお話します。」


よかった。ため息を吐かれたからてっきり面倒かと思ったが、顔にはほんのり安堵というかそういう悪い表情な雰囲気は見えない。


「うん、お願い。眠くならない程度に頼むよ」


「頑張りますね。さて、ここは文字通り様々な亜人たちがかつての人間に追われて落ち延びた森です。それが遥か昔、おとぎ話の時代の話になります。武人気質の鬼族(オーガ)、小柄な犬人族(コボルト)爬虫類人族(リザードマン)、その他にも様々です。」


「ほうほう。なるほど、なるほどね。」


「森は入り口から近い浅層、そこから奥へ入り込む中層、そしてさらに奥の深層に分かれており、大体の種族は中層に住んでいて、大体はここで狩りや採取した森菜や木の実を食べたりして暮らしてます。」


まぁイメージ通り、というところか。

ファンタジーの世界のわかりやすい獣人、いや野人というところだろう。


「で、一番重要なのが森の深層です。ここには近づいてはいけません。」


「ん?なんで?強力なモンスターがいるとか?」


森人(エルフ)たちの住処で、立入禁止区域です。絶対に踏みいらないでください」


「へぇ、エルフ?立入禁止ってーとやっぱり保護とかそんな感じ?」


「…?まぁ保護ではあってますよ。近づかないのが身の為ですね」


「どういう事さ?エルフって話は聞いてくれるイメージがあるんだけど」


「深層は別名、禁域の深層です。入ったら、生きては帰れません。その辺の話は人族とかつての鬼族(オーガ)の歴史になりますが、入らないのが吉です。そのあたり分かってるから他の亜人種たちも森の奥には近寄りません」

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