~14~ パーティー結成?
しばらく歩くとアイテムや装備が落ちている。さらに歩くとまた落ちている。わりとポロポロ落ちている。
「というかさ、なんでこんなに武器とか道具が落ちてんだろ。件の自然に湧いて出るアイテムとも違いそうだけど」
「死んだんでしょうね。武器のほとんどがそこまで高いものじゃないものがほとんどですし」
「・・・どうしてだろう。覚悟も準備もしてたんでしょ?」
ティリアはうつむき、ため息をついた。何かを思い出したのか語り始めた。
「覚悟は・・・どうでしょうね」
「え?」
「冒険者という職を、英雄かなにかだと勘違いしていたんでしょうね。このタル・タル・ガの外の村がモンスターによって襲撃、それをたまたま冒険者が撃退しそれを見ていた子供や若者が冒険者にあこがれて大人になって冒険者になる。よくある話です。」
黙ってジドは聞いている。よくある話というには声色が寂しげなのだ。
「そして冒険者というには一般人に毛が生えたような駆け出しが、武具選び、道具の不足、不慮の遭遇などの掛け違いで、そして一番多いのが低危険度のモンスターを侮って冒険を終えるなんてのもまた、よくある話なんです。なまじ命の危険はあれど割はいいし仕事がおおいですし、金銭のためになる冒険者になる人もいます。ですがココ、街のど真ん中にあるダンジョンですし、とりあえずで挑む駆け出しが未来を失う、なんてのもよくある話です」
言い終わってティリアは完全に俯いていた。
何があったのだろう。いや、なにを見たのだろう。
かつての仲間たちの最期だろうか、それとも自身が地獄でも体験したのだろうか。
過去に触れるのはよしたほうがいい。いつか機会があれば、彼女から話してくれるかもしれないし。
・・・いや、そもそもなんだかんだでこういうダンジョン探索に付き合ってもらうことになったがそもそも長い付き合いのチーム結成になるとも決まったわけじゃないし。
というか僕、この世界の知り合いって彼女くらいじゃないか?
いい雰囲気かは置いておいて、モンスターの気配もないしちょうど落ち着いた
「・・・なあ相談なんだけどさ。よかったら正式にパーティーでも組まない?一人で冒険者やってるとしんどそうだし、他に組んでる先がないなら組もうよ」
「お断りしておきます」
即答だった。え、なに実は僕、嫌われてた?ショックが強いんだけど。
「いえ、私はある理由でパーティーを組んでないんですよ。あなたが嫌いというわけではないんです。ただ冒険自体はふつうにご一緒しますのでよろしくおねがいします」
「・・・なら仕方ないか。ちょっと残念だけど強要だってできないしさ。まあとりあえずはこの依頼の間だけでもよろしくね」
苦笑いしながら肩をすくめる。フラれてしまったか。
さ、気を取り直して探索を続けるか。
彼女もなにか特別な理由などあるのだろう。無理に聞き出すようなことでもないしそういえばこのダンジョンのどこかの金持ちのお嬢さんが行方不明になってるというし、そろそろ探し始めるとするか。




