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第二十話

「続き? 他にも噂があるのか?」

「違う、いや、合ってんのか? まあいいさ。で、婆ちゃんから聞いた話なんだけどよ」

「また婆ちゃんかよ!」


 笑いつつ呆れたように突っ込む適藤へ、あの遊園地の話を持ってきた名親は、照れ笑いで続ける。


「いいじゃん。で、婆ちゃんが言うには、お前らが探索に行ってきた裏野ドリームランドって、昔、村だったらしいぞ」

「むら? 村かよ!」

「村潰して、遊園地にしたのか」

「なあ裏木、そういや、ドリームランドまでなんか道あったよな? もしかしてあれ、元々あったやつなのか?」

「……………さあ…」


 初めての話に、私以外、皆、興味引かれた様子で身を寄せる。


「んでよ、なんで村潰して遊園地ぶっ建てたんだよ」

「そりゃあ、住む人間…いなくなったからだろ?」

「ダムならまだしも、普通は遊園地を作るという発想にはならないだろう」

「まあ聞けって。でよ、その村、色々あって住んでた人間が外に出てったんだと」


 曰くがありそうな言い回しに、どこか自慢げな表情。

 名親の態度に、これは…と期待した一同は視線で先を促す。


「その村、ほとんどが裏野姓で、親戚関係があったんだと。村長は苗字が違うヤツだったらしいけど、実際村まとめてたのは裏野姓の中で一番偉いヤツだったんだって。んで、その村の中心になってた裏野を本家って呼んで、あとは分家だかそんな感じだったらしい」

「ふうん」

「その分家の中でも、村から隔離された場所に、とある家族がいたらしい。母親と娘の二人暮らしで、なんか理由あって村に住むことを拒否られてたけど、追い出されはしなかったんだとさ」

「ほんで?」


 皆のように相槌は打てないものの、話を聞いてると、何かが引っかかる。思い出したくもない、何かが。


「で、ある日村の中で疫病が流行ったんだと。全身赤い痣まみれになって、苦しんで死んでくって感じのヤツ」

「それから数日したある日、村人たちは、土を掘り返してゾンビになって……」

「それちげえ話だろ!」

「感染症だかが流行ったんだろ。よくある展開だよな。そこで…」

「だああ! ストップストップ! 最後まで俺に話させろって!」


 察した固本が真面目な顔で続けようとすれば、名親が慌てて机を叩き、発言を妨害する。


「で! それは村を追放されかけた母娘が神様の怒りに触れるような行為をした、って噂が流れて、本家もそれを信じて、村の神様に詫びろっつうことで、生贄にした!」

「そんで疫病が止まってめでたしめでたし、だな!」

「違うんじゃね? だって村の人間、出てったんだろ?」


 一人完結した野間へ、適藤が首を傾げつつ否定の言葉を述べれば、後者へ頷いた名親が口を開く。


「適藤の言う通り! 母娘を生贄に捧げても疫病が収まる気配がなくて、本家の人間も全滅したんだってよ。結局、残された何人かの村人たちは、神の祟りだから仕方ない、とかで村を捨てることになった、つう話! 終わり!」


 口早に言い切った名親は、背もたれに身体を預けて皆の反応を確かめるかのように、首を巡らせる。

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