その②
こんにちは!OU,ATです。
次はSF系だと言ったな・・・あれは嘘だ
・・・というか、SF系はちょっと難しかったので後回しにしてしまいました。
楽しみにしていた方、ごめんなさい。(いるかどうかわかりませんが)
さて、前回の「その①」を読んでいただいた方、ありがとうございます。
(実はアクセス解析の仕様がよく把握できておらず、「自分が気になって開いていた分も入ってしまっているのでは!?」と思っていたり。)
まだ、読んでいない方。このお話からでも十分大丈夫です。
なにしろ「短編集」ですから。
今回は「スポ根」(っていうんですよね?)風に書かせていただきました。
タイトルは例のごとく、「その②」。
でもあえてタイトルとつけるとするならば、「June」かな、と思っています。
それでは、ごゆっくりどうぞ。
6回表。そろそろ最終回。
「ここを守り切って、裏で点を取りにいくぞ。」
梅川先生からもそんな指示があった。
点差は1点。ギリギリ上回ってはいるが、福岡のことも考えて早めに守備を切り上げ、もう少し点を稼いでおきたいところだ。
ふと、うちの中学の横断幕が見える。「猛攻堅守」。例え相手が強豪校だろうが、こんなところで負けて下の3位で県南大会に行きたくはない。今はとにかく勝つしかないんだ。勝ち抜くんだ。
一人目、5番。さすがに2試合目ということもあり、福岡にも若干の疲れはあるだろうなとは思うが、そんな素振りは一切見せず、ストレートとスライダーで三振に打ち取った。
ワンアウト。
二人目、ショート。こちらは粘る。ボールはしっかり見逃し、入ってきた球にはちゃんとバットで対応する。「こいつには打たれてしまうんじゃないか」、そう思った俺は、おまじないに一生懸命になる子供のように、福岡と同じタイミングで足を地面に打ち付けた。
ファウル、ボール、ボール、ストライク、ファウル、ファウル。
そして6球目。今までのファウルの時とは違う音が聞こえた。ボールがサード方向へ飛んでいく。林はさすがのショートバンキャッチ。だが、イマイチ調子が乗らないのか、投げたボールが少し逸れてしまった。それを足を伸ばして捕りに行く。捕れた。内心ヒヤヒヤしていた。梅川先生の怒号が少しだけ聞こえたような気がした。
ツーアウト。
三人目。ちょっと大柄な7番だ。でも打ち方にちょっと不安がある。これは大丈夫そうだ。
ストライク、ボール、ファウル。
あっという間に追い詰めた。
「追い込んだぞー!」
周りを、福岡を、自分を鼓舞するように大声を出す。あと一球だ。
投げた。同時に足を打ち付ける。
金属音。
ボールを目で追ってみると、ファウルだった。
しかも、こちら側に。
しかし、思っていた以上に伸びる。まだ伸びる。
でも、これぐらいなら走って届く。
グラウンドに腹を向け、半身の状態でファウルボールを追いかけ始める。
球の勢いが落ちていく。
もうすぐ落下予測地点。
これは捕れる。
そう思った直後だった。
誤算が生じた。思っていた以上に球は奥のほうへと落ちていくような気がした。
まずい、捕れない。
反射的に体をよじらせて取ろうとした。
直後、右側に強い衝撃が走った。
体のバランスが崩れる。
フェンスにはじき返されて、そのまま地面に叩きつけられた。
力がうまく入らない。
どうしていいかわからず、そのコンマ一秒間はただただ重力の法則に身を任せてしまった。
ハッとする。自分には何が起きたのかよくわからなかった。そのすぐ後に激痛が走る。
痛い。とてつもなく痛い。
自分の左手で反射的に右の脇を押さえた。その黒い手にはすでにミットはついていなかった。
「大丈夫か!」
大人の人の声がする。確か、首肯をしたとおもう。
すぐに審判の人と相手の監督、梅川先生までやってきた。
「脇が痛いのか。折れてたりしてないか?」
そう言うと、審判の人―一塁審の人だろう―は脇腹に手を添え、確かめ始めた。
不思議と、どこも痛くなかった。当たり所がよかった、というのだろうか。どこも折れてはいないようだった。
「立てるか?」
そう聞かれたが立てる気がしなかったので支えてもらいながらベンチまで戻った。
右手が痛い。
よく見てみると、右手の薬指と小指には傷ができていた。小学生の時、スパイクで手を踏まれ、大きなけがをしていた先輩がいたが、右手の傷はその時見た傷そっくりに見えた。
いかがでしたでしょうか。
スポ根系の物語(バ〇テリーとかハイ〇ューとか)って読まないんで、ちゃんとスポ根してるか不安なのですが・・・
それと、余談ですがこのお話はノンフィクションなんです。
作者自身が体験したお話を覚えている限りそのまま書きました。
もしかしたら、またこういうノンフィクションの物語も書いていくかもしれませんね。
次は・・・何を書こうか決めていません。
もしかしたら本格的な連載小説を書き始めるかもしれませんし、まだまだ「予定は未定」です。
あと、現実的な意味でも忙しかったり・・・
と、いうわけで、次回もお楽しみに!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!