第一話
なろう初投稿です!見てくれたら嬉しいです!
「ん、もうこんな時間か」
壁に掛けられた時計が六時を指していた。
四時にこの図書館に来ていたので、二時間も読んでいたようだった
「借りて帰るか」
本をカウンターへ持って行き、貸し出しの手続きをしてもらう。
この図書館に通い始めてもう三年以上が経つ
だが、俺はもう少ししたらこの図書館にもいけなくなる。
親の事情で別の街に引っ越すのだ。
高校受験はもう終わった時期だったので、受験のことは心配しなくていいが
俺が今いる図書館はかなりの頻度で使用してたお陰か、離れるのが恋しく感じてしまう
そして、借りた本をリュックの中に入れ、帰宅路を進む
家への道は商店街を通るのでとても賑やかであった
時間的にも主婦の人たちが買い物に来ている
(家に帰ったらゲームでもするか)
そう思うとほぼ同時に体の自由が奪われ、勝手に動き出した
どんなに対抗しても、体が勝手に動いていく
体が動いてったのは商店街の路地裏だった
「おい!早くこのガキしばりつけろ!」
声が聞こえた。
小さめな声だが、何をしようとしているのかは
予想はつく、人攫いだろう
助けたいのは山々だが、俺のような非力なゲーマーが
行っても無駄になるだけだ
そう思い後ろに下がろうとすると
体が勝手に前に走っていく
曲がり角を曲がり、俺の前には俺より10センチは高い三人組がいた
男三人組の一人が俺の方を睨みつけてきた
「その子を、解放してくれませんか?」
声が勝手に出た
そして、近くに落ちていた鉄パイプを構えさせられた
「なんだ?お前も誘拐されたいのか?」
そんなのは絶対に嫌だ
だが、ここまで来たら逃げられない
俺は鉄パイプを握りしめ、目の前の男の体に全力でぶつけようとするが、掴まれてしまう
「こんなガキ、早く縛りつけろ」
リーダー格の男がそうな言うと周りの男が俺に対して
殴ってくる
抵抗しようにも、殴られ続けている為立ち上がれない
だが、次の瞬間に体がまた勝手に動き、どこから出てきたかわからないナイフを男の体に突き刺す
刺された男は刺された場所を抱え、悶えていたが
周りの男が敵討ちと言わんばかりに今までより
容赦なしで殴りつけてくる
そして、一人の男がもっていたナイフで
俺の体が刺された
刺されたことなど初めてであるし、それ以前に
ここまでの苦痛を受けるのも初めてだった
そして、俺の体の血の気が一気に引いていき
体が冷たくなってくるのを感じる
(ああ、こんなことで死ぬのかよ)
目はまだ見えるので男たちがいたところをみるともう既に逃げたみたいだが、恐らく捕らえられていた一人の少女が泣き叫んでいた
「大丈夫ですか!誰か、救急車呼んでください!!」
途端に視界がぼやけて、目が見えなくなった
そして、次から次へと体の機能が停止していく
その時に、一つの願望を思い浮かべた
(二度目の人生があるなら、異世界に転生したいな)
と
そして、まだ機能として多少残っていた耳に一つの微かな音が流れてくる
「先輩!」
と、叫んだ声が聞こえた気がしたが、もう、言葉の意味すら、理解する脳が死んでいた
そして、俺、橘賢二の人生はそこで終わった
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