自信
私は何か信じられないような才能を持っているに違いない。そう思いながら生きてきた。勉強ができなくたっていい、そんなものは犬にでも食わせてしまえ。勉強なんかで測れないような物凄い才能が眠っているに違いない。運動なんかしなくたっていい、あんなものは原始人の行うものだ。私にはこの四肢を動かさずとも頭脳に眠る才能がある。私はこの才能を信じ、今まで生きてきた。今私は文字を読むことも、声を発することもできない。しかし私は声を発する必要もないのだ。なぜならこの頭脳に眠る才能があるから。体は肥え太り、満足に動くこともできない。才能があるから大丈夫だ。今はもはや人間と呼べるような存在ではないのかもしれない。しかしそれでいいのである。今に私はこの類稀なる才能によって人間よりも高次な存在、神になるのだから。いつこの才能は目覚めるのであろう。私は今、自分の卵がいつ孵るのか見守る親鳥のような気分である。いつこの才能は開花するのか。