忘れた思い出
今回はちょっと感動回だと思います。
誤字脱字があるかもしれません。
「少しは落ち着いたかのぉ?」
デリアーデから明かされた事実に驚き、紅葉達5人は召喚された神殿っぽい所の隣にある、会議室みたいな部屋へと案内された。
シウマは何かを取ってくると言い、一人何処かへ行ってしまった。
「はい・・・でも」
「あ、あぁまさか紅葉が・・・」
「王子様・・・」
「・・・」
デリアリーデの言う通り、少しは落ち着いた春馬達だったが、紅葉は
「ふぅ、なぁ大王」
「ん?何じゃって言うか、紅葉、お前さんは少し落ち着きすぎじゃないか?」
「いいんだよ、そんな細かい事、それより」
「こ、細かいのかのぉ?」
「いいから聞け、大王、あんたさっきから気になっていたが、”何で俺の名前を知っている”、ここは異世界だ、俺の名前が知らされるどころか、産まれた事さえ知らせるのは無理なはずだ、確か俺を自分の孫と確信したのも俺の名前だったよな」
「あ、そういえば」
「それもそうね、確かに紅葉君の名前を知っているはおかしいわ」
「・・・(首を縦に振っている摘姫)」
「・・・(無言の炎)」
紅葉の疑問に気づく幼馴染み達、しかしデリアリーデは
「む?何を言っておる紅葉よ」
「何をって、さっき言った通りだ、どうして俺の名前を知っているかだ、俺が名前を言った瞬間にあんたらは動揺、確信した、孫の名前をその時初めて聞いたのに」
「だから、何を言っておるのだ紅葉よ」
「ちっ、何回も言わせるなよな大王が、だからな」
紅葉がもう一度説明をしようとした時、デリアリーデの放つ一言がさらなる事実を発言する。
「お前さん・・・忘れたのか?」
「は?何をだ?」
「紅葉、お前さんは、”この国で産まれ、たった五年であったが、この国で育ったじゃないか”」
「・・・・・・え?」
「な⁉︎今、何て⁉︎」
「・・・紅葉君が」
「く、くぅが」
「・・・(無言の炎)」
「「「異世界人⁉︎」」」
またまた驚くべき事実を告げられた、紅葉達、でもさっきとは違い、炎は予想し当たっていたかのように驚きはしなかった、紅葉は
「お、俺が、この世界で、産まれた・・・?」
「ま、まさか、本当に忘れたのかの⁉︎」
「あ、あぁ、何も覚えが無い・・・」
「な、何と・・・」
紅葉が何も覚えていない事に動揺するデリアリーデ、とそこへ
「ただいま戻りました、って皆さんどうかされたのですか?」
何かを取りに行っていたシウマが戻ってくる。
「おぉ!いいところに戻って来たシウマよ!」
「ど、どうしたんですか?デリアリーデ様」
「大変な事になってしまったんじゃ!」
「いやだから、説明をお願いします」
「う、うむ実はのぉ」
大王説明中・・・・・・
「な、何と、紅葉様、それは誠なのてますか⁉︎」
「あ、あぁ」
「昔『シウマ〜』と言いながら、私に甘えて下さった事も⁉︎」
「イ、Yes」
「・・・・・・・・・」
「だから言ったじゃろシウマよ、ほれ早く紅葉の記憶を調べてくれんか」
「は、その手がありました!」
「き、記憶を調べる?そんな事が可能なのか?」
「はい出来ますよ、あ、ご心配なく、調べさせてもらうのは紅葉様が5才の頃の記憶です。プライバシーは守るので」
「あ、あぁ」
「では、いきます」
と言いながら、紅葉の頭に手をかざし
「『記憶読』!」
シウマが呪文のような物を発すると、紅葉の頭にかざしていた手の平に”白く輝く魔法陣”が浮かび上がる。
それを目にした紅葉達は目を見開いた。
それもそうだ自分達の世界では空想や物語の中でしか見れない物が、今実際に目の前で行われているのだから。
そして、白く輝いていた魔法陣がシウマの手の平から消えると。
「ふぅ、分かりました」
シウマは紅葉の記憶から、何かを掴んだようだ。
「ふむ、シウマよ何があったのじゃ?」
「はい、でもその前に、紅葉様」
「ん?何だ?」
「紅葉様、貴方は小さい頃に頭に強い衝撃、もしくはそれに関連する出来事にあったのでは?」
「ん?」
「どういう事じゃ?シウマ」
「紅葉様達にご説明すると、この記憶読と言う魔法は文字通り、対象者の記憶を読み込む事です。この魔法は対象者がどれだけ忘れていても必ず記憶の片隅にある記憶を読む事が出来るのですが、今回、紅葉様の記憶には5才頃の記憶が一切ありませんでした。そこで考えられるのが、”記憶消去”と言う魔法かもしくは、”記憶消失”です。さっき私が魔法を発動させた時の紅葉様達反応をみると、皆さんの居た世界では、魔法が無かったとお見受けします。そこで消去法で、紅葉様が記憶消失ではないかと考えたんです。紅葉様、小さい頃に何か聞いてないでしょうか?」
「・・・・・・」
シウマの説明を受け紅葉は”一番小さい頃の記憶”までを思い出す。
「あ、そういば」
「何かありましたか?」
「あぁ、昔に母さんや親父達が俺は事故に遭い、そのせいで記憶を失ってしまったって・・・」
今、思い出してみれば忘れちゃいけねぇ事じねーか。
普段絶対に泣かない母さんが俺をボロボロ泣いて抱きしめながら『大丈夫、大丈夫だから』と言っていた。
親父は背中を向けていたが、あれは絶対に泣いていた。
焔さんはまだお腹に炎が居たけど、俺の頭を撫でながら泣いてくれた。
雷花さんは、俺の前では泣かなかったが、親父から聞いた話では一晩中泣いてくれたらしい。絶対忘れちゃいけねーのによ、俺は・・・
「紅葉様?大丈夫ですか?」
「あ、あぁ」
「紅葉よ」
「何だ?」
デリアリーデは紅葉の目の前に立ち
「大丈夫じゃ、例え紅葉が忘れていても、ワシやシウマは絶対戸惑いはせんぞ、むしろ帰って来てくれた事に嬉しく思うぞぉ!」
と涙目で紅葉を抱きしめ語るデリアリーデ、紅葉はさっき会ったばっかりのジジイに抱きしめられて、不愉快としか思わないはずなのに、懐かしい・・・心が落ち着くような感じがした。
はい、以上が第8話目になります。
この後書きに書くネタが思いつきませんでした。すんません!
次の投稿も一週間以内には出したいと思います!