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第1幕 ~第1章~

空は晴天 雲一つない空が広がっている


そんな空の下の荒野を歩く三人の少女がいた


?「ふ~ふんふん」

?「お姉ちゃんはご機嫌なのだな?」

?「桃香様、あまりはしゃいでいると転びますよ?」


鼻歌を歌いながら歩く【桃香】と呼ばれた朱色の髪をした少女に、長い黒髪の少女が注意を促す


桃香「だって管輅かんろちゃんの占いだと、まさに今日!【天の御使い様】が現れるんだよ!誰だって燥いじゃうよ!」


桃香は興奮気味に後ろを歩いている二人は若干呆れ気味だ


?「管輅の占いですか・・・『流星に乗って乱世を鎮める為に天の御使いが現れる』・・・本当に信用していいのか怪しいものです」

?「愛紗・・・お姉ちゃんは天然だからしょうがないのだ!」


ショートヘアーでトラの髪留めをした少女が黒髪の少女【愛紗】に笑顔で言い放つ


愛紗「鈴々!どんな危険があるかも分からない相手なのだぞ?ましてや占い自体が本当かもわかっていないのだ!そんな気楽に構えてどうする!」


愛紗が少々の憤りを混ぜた口調で、トラの髪留めをした少女【鈴々】に投げかける


鈴々「そんなこと言ったって、お姉ちゃんはもう完全に信用しちゃってるのだ、あぁなったお姉ちゃんはもう止まらないのだ!」

愛紗「だから困っているのだろ・・・全く桃香様もなぜあんな信憑性のない占いを信じるのか・・・」


二人は顔を見合わせて溜息を吐く


桃香「あーーーーーーーーっ!!!!」


二人の少し前を歩いていた桃香が突如大きな声を上げる


愛紗「桃香様!どうされたのですか!?」

鈴々「にゃ~・・・いきなり大きな声を出さないでほしいのだ~・・・」

桃香「愛紗ちゃん!鈴々ちゃん!あそこあそこ!!誰か倒れてる!」


桃香が指差した先に目をやると、そこには確かに人が倒れていた


桃香「この人が管輅ちゃんが言ってた『御使い様』・・・かな?見た感じ私より少し年上・・・かな?」

愛紗「桃香様!むやみに近づいてはなりません!」

鈴々「でもこのお兄ちゃん、見たこともない恰好してるのだ・・・」


倒れている彼は確かに三人が着ている服とは異なる恰好をしていた。

黒い外套がいとうの下には白い道着のような物を身に付け、下袴もこの界隈では見たことがない


桃香「ね!ね!!やっぱりこの人が『御使い様』なんだよ!」

愛紗「確かに見たことない恰好をしていますが・・・それだけで『御使い』と判断するのは・・・」

鈴々「それにしても全然起きないのだー・・・」ツンツン


桃香と愛紗が議論しているうちに、鈴々が男の頬をつつく


愛紗「鈴々!むやみに触るんじゃない!」

鈴々「大丈夫なのだ、このお兄ちゃん全然起きないのだ」

桃香「あっ、鈴々ちゃん!私も私もー!」


愛紗の静止を聞かず、二人はしきりに男の頬をつつく


「・・・ん?」

鈴々「あ、起きたのだ」


流石に何度も頬をつつかれていれば嫌でも目を覚ますだろう・・・

起き上がった男はまだ寝ぼけた様子であたりを見回している


--------------------------------


コウガ「どこだよ・・・ここ・・・」


目を覚ましたら見覚えのない荒野でしたマル


最後の記憶は、敵の兵器の火球を振り払おうとしたところまでは覚えてるんだがな・・・

そこから先の記憶は曖昧どころかスッポリとぬけてしまっている


コウガ「どこかに飛ばされたのか?しかし、こんな殺風景なところ近くにあったかな・・・」


自分の記憶を掘り返すが、該当する場所が一か所もないんだよなぁ


「あ、あの!!」

コウガ「へ?」


声をかけられた方を見ると朱色の長い髪をした女の子が立っていた。


コウガ「あれま、可愛いお嬢さんだ・・・俺に何か用かい?」

「やだ・・・可愛いなんて・・・」////


思ったことをそのまま口に出すと、女の子は顔を真っ赤にしていた


「おっほん!!」


大きな咳払いが聞こえたほうを見ると、今度は長い黒髪をした女の子がこちらを怪しむような目で睨んでいた


コウガ「えーっと・・・何かご用で?」

「お兄ちゃんが管輅が言ってた、『天の御使い』なのかー?」


重くなっていた空気を引き裂くかのように先ほどの二人よりは幼い女の子が話しかけてきた


コウガ「御使い?なんだそれ?」

「あのね、私たち管輅ちゃんって子の予言を聞いてここに来たの!」

「管輅の予言では、今日この場所に『乱世を鎮める為に流星に乗って天の御使いが現れる』と言っていたのです」

「それで、その場所にいたのがお兄ちゃんってわけなのだ!」


なるほど・・・分からん!!


コウガ「つまり・・・その予言の場所に俺がいたから、俺がその『御使い』じゃないかと?」

「そう!あ、まだ自己紹介してなかったね!私は劉備!劉備玄徳!」

「わが名は関羽、関羽雲長だ」

「鈴々は張飛翼徳なのだ!」


劉備に関羽に張飛・・・三国志の英雄の名前と一緒だな・・・

一瞬「コスプレ」という単語が頭をよぎったが彼女たちの顔を見る限り大真面目だったので即消去


コウガ「あー、俺はコウガ・・・コウガ=ミツルギ」


まずはそんな下らない検索結果より、自己紹介だ


劉備「コウガさんか・・・コウガさんはなんでここに居たの?」

コウガ「それが俺にもさっぱりでな・・・気が付いたらここにいたんだよ」

関羽「なんとも・・・信じがたい話ですな・・・」


それはこっちも同じ気持ちだっての・・・


張飛「じゃぁお兄ちゃんは『天の御使い』じゃないのかー?」


張飛が頬を膨らませる


コウガ「それは俺にも分からないな・・・その予言ってのが本当なら俺なんだろうし、予言自体が嘘っぱちなら違うんだろうし・・・」

劉備「じゃぁやっぱり御使い様なんだよ!私にはこの人の後光が見えるもん!」

関羽「そうですか・・・?私には何も見えませんが・・・」


関羽ちゃんって意外ときっつい子なのね・・・


コウガ「後光があるかは分からないけどさ、君たちはなんで『御使い』を探してるんだ?」

劉備「この地に起きている乱世を鎮める為です!」

関羽「今、この地にはかつてないほど乱が起きています。」

張飛「民の人たちが重い税金を取られてるせいで毎日のご飯も食べられないでいるのだ」

劉備「私たちはそんな人たちを救いたいの!だから御使い様の力を貸してほしいの!」


なんか・・・俺がいた世界と変わらないな・・・どこの時代も似たようなものってことか・・・


コウガ「俺に君たちの世界を変えられる力があるのかは分からない・・・が、俺の力でよければ貸そう」

劉備「本当!?」

コウガ「貸す・・・って言い方は偉そうだったな、俺にも力を貸させてくれ!どうせ元の時代に戻る方法も分からないんだ、君たちについて行ったほうが俺としても都合がいいんだ」


帰る方法が分からない以上、無駄に時間や体力を使うよりも効率的だ

そしてなにより---


コウガ「可愛い女の子の誘いは断らないようにしてるんだ!」

劉備「う~・・・」///

関羽「・・・~っ!」///

張飛「うにゃ~・・・」///


そういう初心な反応!最高です!ごちそうさまです!!


グゥゥゥゥゥゥ---


「「「「あっ・・・」」」」


一瞬、静まり返ったところに盛大な音が響いた


張飛「朝ご飯食べてないの忘れてたのだ・・・」

コウガ「はっはっは!俺も腹が減っちまったよ!」

劉備「じゃぁみんなでご飯食べに行こうか!」

関羽「そうですね、今後の事も話し合わないといけませんし」


全員の意見がかみ合ったところで、俺たちは町に向かって歩き出した


こうして、俺の新しい生活と戦いが始まるのだった...



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