第1章人物紹介①
・フィオ(悪魔)
異世界のキャラクターデータと霊子が結びつき誕生した存在であり、前作の本人ではない。
本来のお人好しで世話好きな性格と、代行者としての冷徹な貌の二面性を持つ。
全力の魔神形態を10とすると、普段の魔族形態は1、悪魔形態は3、魔王形態は5の力を持つ。
歪みを魔力に変換吸収する浄化の能力は常時発動しており、妖獣などは近付くだけで浄化されてしまう。
神から膨大な知識を与えられているが、それは神具である槍に事典の様に記録されているためとっさに理解できない事も多い。
ゲーム時のスタンスは変わらず、味方に寛容で敵には容赦しない。
・使い魔達
フィオの分身ともいえる12体の下僕と従魔。それぞれが神種クラスの力を持つ。
第一章ではハウルが〈アルマゲスト〉、プルートが〈死霊術〉、リーフが各種結界を新たに使用している。ネクロス、ギア、ヴァルカン、シザー、バイト、シミラ、リーフは人語を使わないが、念話でやり取りしている。
リーフ カーバンクル型
フェイ 妖精型
ネクロス 骸骨型
バイト 蛇型
ハウル 狼型
リンクス 獅子型
ベルク グリフォン型
ギア ゴーレム型
プルート 死神型
ヴァルカン 鎧竜型
シザー 昆虫型
シミラ 精霊型
カリス ドラゴン型
・黒き神(最高神)
正式名称は『ファラク・フォビア・ウロボロス』。漆黒の巨大な蛇の姿を持つ神。
「死と破壊」による「浄化と再生」を司る生命の神。前者の性質から邪神と見なされる事もある。
実際には責任感が強く、自身の使命に誇りを持っており積極的に行動するタイプ。
転生したフィオを自身の眷属として扱う事で「浄化」の能力を与えた。
・白き神(最高神)
正式名称は『ヴェンヌ・フォルス・ヴィゾフニール』。純白の猛禽の姿を持つ。
『生と創造』による『調和と安定』を司り、黒き神の対となる存在。裁きの神でもある黒き神に対し、白き神は導きの神である。穏やかな性質であり「神は世界に干渉するべきではない」という原則に忠実で、基本的には動く事は無い。現在、黒き神が異神を捜索しているため「転生の輪」の管理は白き神がメインで行っている。
帝国の人物紹介
・アレックス・ヴァンデル(ヒューマン)
帝国の重鎮ヴァンデル公爵の息子。文武に優れるが付加魔法の才能に欠け、親族からは落ちこぼれ扱いされていた。実際には強化魔法の天才で、フィオの訓練によって教国の勇者を上回るほどの才能に目覚める。兄弟達が「弱者は搾取の対象」という帝国の悪しき思想に染まる中、父の高潔な精神を受け継いだ数少ない一人。「自分は弱者」という認識から余裕が無く落ち着きの無い性格だったが、後継者として認められてからは次第に自信を付け落ち着きを持つようになっていく。
・アリサーシャ・ヴァンデル(ヒューマン)
アレックスの双子の妹。兄とは違い付加魔法の才能に溢れ、天才ともてはやされていた。しかし、本人は付加魔法の才能以外全てが兄に劣っている事を自覚しており、なぜ皆が自分ばかり持ち上げ兄を無能扱いするのか疑問に思っていた。人を惹きつけるカリスマと人を率いる統率力を持つ兄こそが当主になるべきと考えており、「力(付加魔法)こそ全て」の思想を持つ親族たちに嫌悪感すら抱いている。後継者を決める試合では、お互いが全力で戦い持久力の差で兄に敗れたが、それこそが彼女の望む結果でもあった。
・ロイド&リーゼ(ヒューマン)
アレックスとアリサーシャの従者。幼少時からの付き合いで武術の教官でもあった。
自由人でフラフラと出かける2人に翻弄され続けてきた苦労人達。
アレックスに対しても悪感情は抱いておらず、むしろ魔法以外の才能を生かし軍幹部を目指したらどうかと考えていた。
・皇帝 (ヒューマン)
本名リゴール・メルビル。帝国分裂時から続く悪しき思想を色濃く継承している人物。
民は家畜程度にしか考えておらず、生贄に使う事も躊躇しない。政治家としては三流で、人口の減少により帝国が緩やかに衰退している事に気付いていない。頼みの綱の異世界召喚が失われた時も、慌てるだけで有効な手段を考えられなかった。最後には自身が虐げた民の怨念によって精神を破壊される。
・ヴァンデル公爵 (ヒューマン)
双子の父親で皇族の血を引く大貴族。文武に優れ政治家としても一流だが、帝国内のパワーバランスを考え出来るだけ政治には口を出さないようにしていた。帝国の未来を憂いているが、思い切った行動をとれない自分を嘆いている。実際には皇帝の失策を何度もフォローしてきた実績があり、十分に指導者としての素質を持っている。
・最初の転生者 (ハイ・ヒューマン)
かつて帝国の貴族に生まれた最初の転生者。前世の記憶に目覚めると、様々な知識で帝国に貢献し発展を促した。さらに異世界より望む物を呼び寄せる魔法を開発し、帝国の救世主と呼ばれた。しかし、その魔法の行使は彼の命を知らぬ間に蝕み、魔法陣を残して死亡する。残された魔法陣は「召喚者の望むモノを呼び出す」ものであり、生物の召喚も可能だった事が新たなる火種となる。
異世界人
・マイク・ハワード(人間)
悪魔を倒すために召喚された異世界人。剣と魔法の素質に優れ、あっという間に力を付けていった。
悪魔を討伐した後、自分を戦争の道具に使おうとする皇帝の真意を知るが、送還を盾に従わされる。
実際には送還法は存在せず、マイク自身もその事には薄々気付いていた。徐々に精神の均衡を失っていくが、それでもその力は他者の追随を許さないものだった。最後にはフィオの手により異世界での記憶を消され送還される。
・チャ・ファンピョン(人間)
マイクの後釜として召喚された異世界人。高い魔力と火属性への適応を持つ。
元の世界での歪んだ教育により異常な精神構造をしている。
資質は十分だったが経験が浅く、魔法の極意に触れる事は出来なかった。
命や魂を炎に見立てて操作する火属性の禁呪を暴発させ、怨霊と一体化して消滅してしまう。
・コウダ・エイイチ(人間)
皇族の病気を治療するために召喚された医者。公衆衛生の概念と知識を普及させ、新生児、乳幼児死亡率を激減させることに成功する。しかし、南大陸は狩りや採取に依存しており、農業や牧畜など効率的な食糧生産技術を持っていなかった。そのため、急激な人口増加によって食糧の奪い合いが起きてしまった。
その事実を知った彼は責任を感じ死を望んでしまう。
・ジェームズ(人間)
首都の開発を行うために召喚された建築家。上下水道を設置し、効率的な区画整備などを行った。
魔法の才能、特に魔法陣に関する才能を持ち、異世界召喚魔法陣の整備や改良も行っていた。
下水道、召喚の間、儀式場に魔法陣を分割し、それぞれがバックアップし合うシステムを開発したのも彼である。フィオによって記憶を消され送還される。
・ロバート(人間)
武器や兵器を中心とした技術を得るために召喚された技術者。魔具開発に優れた才能を発揮するが、倫理観に欠け銃や洗脳の魔具なども深く考えずに作りだした。欲望に忠実で金次第で依頼者を問わないスタンスは帝国からも警戒されており、実際に教国の依頼で魔具を開発し売却している。共和国の犯罪組織からも接触を受けていた。フィオはあえて記憶を残したまま彼を送還し、彼は元の世界で力を失った事に絶望する事になる。
そんなに人数いないのに長い……。
もっと簡潔でよかったかな? とりあえず前後に分けます。
次は教国の人物紹介。