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リバース チェンジ ワールド  作者: 白黒招き猫
序章 神からの依頼
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神域の神

「実は俺は状況がよく解らないんだ。解る範囲でいいから教えてくれないか?」


〈うむ、いいだろう〉


「この世界の神って言ったよな。ここはやっぱり異世界なのか?」


〈この世界は『ハノーバス』という。汝の認識で言えばそうなるな〉


「なんで俺はここに?」


〈少し前に、この世界と異世界が僅かに接触した。その時に汝は生まれたのだろう〉


 ん? ちょっとまて。

転移してきたんじゃなくて、生まれただと?

どういうことだ?


〈異世界の存在はこの世界にとって異物だ。存在するだけで『歪み』が生じる。しかし、汝にそれは無い〉


 そう言うと、蛇神はこちらを覗きこむように顔を近づけた。

デカイ。

北欧神話の世界蛇とかってこんな感じなんだろうか。


〈間違いないな。汝の魂を構成しているのはこの世界の力だ〉


「えーと、どういう事なんだ?」


〈これは予測だが、おそらく汝は写し身だ〉


 え? うつしみって写し身の事か?

俺、コピー? ドッペルゲンガー?


 ショックを受ける俺にさらに追い打ちがかかる。


〈先ほど汝の記憶を見せてもらったが、汝には過去が存在しなかった〉


 うう、もう充分です……。


〈異世界のオリジナルの情報を素に、こちらの世界の魔力で構成された魔法生物。それが汝だろうな〉


 マジかよ……。

俺、人間ですらないのかよ。

まあ、でも、オリジナルが向こうにいるのなら家族は悲しまないかな。

俺は悲しいけど。

でも、記憶があいまいだからなのか、思ったよりショックじゃないな。


〈そういえば、汝の中には眷属がいるな〉


「眷属? 使い魔か!」


 そうか、あいつらも一緒なのか。

すごく安心したよ。

うん、1人は嫌だよな。


 そんな感じで俺は蛇神に、この世界の事を教えてもらった。

例えば神。

神は世界の管理者であり、直接世界に手を出せない事。

基本的には多神教と同じで、世界を共同運営している事などだ。


 蛇神には対になる『生と創造を司る白き神』がいるらしい。

この世界では白き神を聖神、黒き神たる蛇神を邪神とする事が多いそうだ。

死と破壊が無ければ世界は生者と物で埋まってしまうが、今生きている者の立場から見れば仕方がないだろう。

蛇神は気にしていないし、白き神も崇めたからといって何かしてくれるわけではない。


 彼ら神は良くも悪くも公平であり平等だ。

悪人だからといって裁きはしないし、善人だからといって助けもしない。

正確には手が出せないらしいが。


 例えるならビオトープだろうか。

環境を整えはするが、生き物を個別にどうこうしないわけだ。

超越者の視点というやつだな。


 他にも天空神、大地神、海洋神といった三界神。

世界の環境を整える精霊、その元締めである精霊神などもいるらしい。

精霊神の下には各属性の精霊王がいて、その下に大精霊、上位、中位、下位の精霊がいるそうだ。

ちなみに人間が契約できるのは大精霊までだ。


 そして種族。

これはRWOとほとんど同じだ。

しかし、上位のハイ・~といった種族は極めて少ないそうだ。

そしてハーピーとフリューゲル、リザードマンとドラゴノイドなどは完全な別種族らしい。


 そして知らないのは魔族、デモノイドだ。

魔族は魔力に優れた亜人種で、ただの一種族だ。

俺とは全く別の存在らしい。


 当然数が一番多いのはヒューマンだ。

個体の弱さは繁殖力の強さにつながり、数はそのまま力になる。

そんなわけで一番勢力が強いのもヒューマンらしい。


 ちなみに俺は枯れているとか。

俺は強大な力を宿した個体の総称である『神種』に分類されるらしい。

個体としてあまりに強いため、繁殖欲求が起きないそうだ。

つまるところ、行為自体は可能だがその気にならない。

健全な成人男子としては最悪だ……。


 ハノーバスで実際に力を振るったとされる神は、ほぼ全て『神種』だそうだ。

真の神は手出しできないわけだから。

神種は亜神、神人、半神などとも言われるとか。

神獣や神竜も『神種』だ。

ってことは俺って単体で神種14体分?

ひでえな、おい。


 ある程度話を聞いたところで蛇神が本題に入った。

そう、何のために俺を神域に呼んだのか、だ。

直接手を出すのは相当な苦労だったはずだ。

いくら俺が神種でも相応の理由があるはずだ。


〈さて、実は汝に頼みがあるのだ〉


 蛇神はゆっくり語り出した。

俺を呼んだ理由を。


作者の宗教観がにじみ出てますね。


ようやく本題に入ります。

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