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リバース チェンジ ワールド  作者: 白黒招き猫
終章 東方諸島開拓編
212/216

始まりの地 戦乱期

間が開いてしまいました。


実はPCの調子が悪かったんですが、寿命ということで買い替えたのです。


今までありがとう、2014年もののバリュースター。

◇老島亀◇


 さて、数多の始原の種族たちが誕生した始まりの地じゃったが、最初は何の問題も起きんかった。

何しろ大陸は広い。

それに対し、誕生した各種族たちは1000人にも満たなかったからの。

生存に必要な土地など大した広さではなく、他種族と接触すること自体が稀だったんじゃ。


 そして、神々はこの世界に新たな大陸を生み出していった。

お主らが中央、北、南、西大陸と呼ぶ4つの大地じゃな。

東大陸で培った技術と経験を大いに活かし、驚くほどの速さで4つの大陸の環境は整えられていった。

最後に、その環境を維持する世界樹を設置して大陸の創造は完了したんじゃ。


 東大陸での長い試行錯誤は、神々の技術力を高めていたんじゃな。

完成した4つの大陸は、それぞれ特色はあったが安定した見事な大地となっておった。

じゃが、『まだ知性を持つ『ヒト』を移住させるには早い』、そう神々は考えたんじゃ。


 神々はまず普通の動植物を大地に放ち、続いて魔力を持つ生物を放った。

そして『幻獣』や『魔獣』を頂点とした生態系が確立されたことを確認したんじゃ。

問題なく生物が生存し、繁殖し、バランスが取れたことを確認した神々は、ようやく『ヒト』を新天地に移住させることにしたのじゃが……。

そこで神々は、自分たちが東大陸から目を離しすぎていたことに気が付くことになったんじゃ。


 神々を含む高次霊的生命体には寿命がないからのう。

時間の感覚が通常の生命体と違うんじゃ。

ヒトの間でもヒューマンとエルフなどは時間感覚がズレておるじゃろ?

神々とヒトの間にも大きなズレがあったんじゃ。


 さっき儂は『驚くほどの速さで大陸が創造された』と言ったが、それはあくまで神々の時間感覚ではの話じゃ。

実際には東大陸がヒトで溢れ、神々の存在が伝説の彼方に消え去るほどの時間だったのじゃ。

神々の存在を信じぬ若い世代が増えるほどに、ヒトは身勝手に、傲慢になっていった。

そして神々が再び東大陸に目を向けた時、始まりの大地は戦火に包まれておった。


 争いの理由? ありふれたものじゃよ。

食料、資源、文化、価値観、そして遺恨。

もはや、自らの意志では止めることも止まることもできん状況じゃった。

もちろん儂らも止めようとはしたんじゃが、できんかった……。


 始祖種族というのは神々が直接創造した種族。

1人1人が今のヒトより遥かに強い力を持っておった。

そんな種族同士が全面戦争を起こしたんじゃぞ?

その悲惨さは思い出したくもない程じゃった。


 それでも神々は必死に止めようとしたんじゃよ。

じゃが、神の存在を忘れたヒトにその声は届かんかった。

大地は血と炎で赤く染まり、水も大気も汚染されていったんじゃ。


 燃え盛る炎と煙は大気を汚染し、流された毒は水と大地を汚染した。

そして、果て無き敵意、悪意、憤怒、憎悪、悲哀は魔力を汚染し瘴気を発生させた。

さすがに自分たちが滅びの道を進んでおることに気づく者も現れた。

じゃが、そういった者たちの声は黙殺され、封殺され、酷いときは排除されてしまったんじゃ。


『勝てばいいのだ』

『勝つためには意思の統一が必要だ』

『だから考え方の違うものは異分子だ』

『異分子は敵だ、裏切り者だ』

『排除しろ』


――といったようにの。


 瘴気の影響で精神に異常をきたした者が増加し、全体主義の旗が振られる。

その結果、同種族内での粛清と反乱の嵐が吹き荒れ、もはや敵も味方もわからぬ戦乱の泥沼へと沈んでいったんじゃ。

神々が慌てて干渉しても、もはや完全に手遅れじゃった。

狂乱する民に神の声は届かず、世界樹の力でも大陸の浄化は不可能となってしまったのじゃ。


 そこで、神々はまだ正気を保っていた者たちを新たな大陸に逃がすことにしたんじゃ。

そのために感応力が強く、精霊や神々といった高位存在の意思を受け取ることに長けた者たちを選定していった。

今でいう神官や巫女という者たちじゃな。


 そして、彼らに救い出されるべき者たちを集めさせたんじゃ。

もちろん、ただ命じただけではなく全力で手助けした。

まあ、安易に直接神々が力を振るうわけにはいかないからの。

精霊や神獣、天使などが彼らを守り、悪魔が追っ手を排除したんじゃ。


 また、その頃になると瘴気によって精神だけでなく肉体まで変質してしまった、お主たちのいう妖獣が現れるようになっており、普通の『ヒト』では太刀打ちできなくなっておったんじゃよ。

そして、残念なことに、この戦乱によって滅んでしまった種族も多かったんじゃ。

中には丸ごと妖獣と化し、残らず悪魔に殲滅されてしまった種族もおった。


 さて、瘴気の影響を受けず、共存を願った者たちは神々によって次々と東大陸を脱出した。

じゃが、彼らを再び同じ場所で暮らさせるのはやはり心配じゃった。

そこで中央大陸には最も数の多かったヒューマンの始祖たちを。

西大陸には次に数の多かった妖精種の始祖たちを。

南大陸には獣人族の始祖たちを。

北大陸にはそれ以外の種族たちを移住させたんじゃ。


 現在では北大陸の者たちは魔族と総称されているんじゃったかの?

代表種族である鬼人、吸血鬼、獣魔は、個としての力が強いか繁殖力や多様性に優れていた種族の末裔じゃな。

そういえば、獣人たちの中から袂を分った種族も出たらしいの。

水棲獣人たちじゃったか? まあ、悲しい事じゃがそういう事もあるじゃろう。


 ん? なんじゃ、その顔は?

ほう、偽神の創造と外部の高位存在の誘引か。

その始末をさせられた、と。

ご苦労じゃな……。


 しかし、それがお主のお勤めじゃ。

まあ、儂は半分隠居したようなものじゃからな。

そうそう出番があるわけじゃなし。

海の底でのんびりスローライフじゃよ。


 今回だってお主らが来なければ動くことなんぞ無かったはずじゃよ。

調査団とやらでは結界の存在すら認識できんじゃろうし。

……そんな目で見るでない。

これでも当時は大変だったんじゃ。


 おいおい、忘れとらんか?

儂は東大陸の誕生から崩壊までを経験した当事者じゃ。

当時は大活躍だったんじゃぞ?

若いころ忙しかったんじゃから老後くらいノンビリしていても良いじゃろ。


 ……話がそれておるな。

まあ、そんな感じで逃がせる者たちを逃がした後。

神々は荒廃し、未だに戦火のやまぬ東大陸をどう扱うかで悩んだのじゃ。


 何しろ東大陸は始まりの地。

言わば聖地じゃ。

じゃが、もはや手遅れなほどに汚染され尽くしてしまっておった。

このまま放置しておけば、いつか他の大陸にも影響が出かねん。


 そして神々は決断したんじゃ。

東大陸をそこに残った命もろとも海の底に沈め、



 滅ぼすことを



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