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好きになりすぎるのは悪いことですか  作者: ネロ
中学時代編

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3/5

体育祭

9月半ば、中学最後の体育祭。

柊は学校内でもトップクラスの活躍を果たした。

体育祭のルールとして、騎馬戦や綱引きなどの全員参加の種目以外は1人1種目ずつ出場するというのが基本だった。しかし柊は例外的に1人で4種目に出場することに…

まずは自分で選んだ4×100mリレー。校内で最も足が速いこともあり、自然な選択だった。

2つ目に、部活動対抗リレー。引退した身だからと最初は断ろうとしたものの、後輩からのお願いや同級生の後押しもあり、バレー部のエースとして選抜メンバーとして出場。

3つ目に、軍団対抗リレー。校内最速の瞬発力ということもあり、周囲の推薦で決定。

本来はこの3つで収まるはずだった。

しかし4つ目、200m走。本来出場するはずだった級長が直前で怪我をしてしまった。

柊は既にリレー3種目に出場が決まっていたため参加するつもりは無かったが、クラスの中心的な陽キャ達が「やっぱ柊だろ!学校で1番足速えんだし!」と声を上げた。

柊は「いや俺、他にも3種目走るんだけど……しかも部活引退して運動不足だし……」と断ろうとするも既に遅く、あっという間にクラス満場一致で代理出場が決定した。


当日。

柊は運動不足の身体に鞭打って必死に足を動かした。

結果として、柊が出た種目は全て1位。「過労死する…」とヘトヘトになりながらも、スタートダッシュと最後の追い上げで1位を搔っ攫った。

結果、柊の軍団は圧倒的優勝を果たした……


閉会式が終わってグラウンドに熱気がまだ残る中、クラス全員が教室に戻ってきた。

圧倒的優勝という結果にクラス全体が大盛り上がり。廊下ですれ違う他クラスの子からも「柊すげぇな!」と声がかけられるが、柊はただ「俺は別に…みんなの力だよ…」と小さく頭を下げるだけだった。


教室に入るとすぐに「集合写真撮るぞー!」という声が上がる。

柊は当然のように3列目の端っこへ。なるべく目立たない位置を確保しようとするも、すぐに陽キャ男子グループがそれに気づいた。

「おい、柊!お前どこ行ってんだよ!真ん中だろ!」

「は?あんなに走りまくって優勝引っ張った奴が端っこなんてありえねぇだろ!」

「優勝の立役者だろ!1列目のセンター空けろ空けろ!」

周りが一気にざわついて、柊は慌てて手を振る。

「いや、いいって…!優勝したのはみんなの力だろ…」

「うるせぇ!早く来いって!」

級長の男子がニヤニヤしながら柊の右腕をガッチリ掴む。その隣では副級長の女子が左腕を引っ張る。

「いいからいいから!今日は柊くんが主役だよ!!」

「え、ちょ、待って…!」

柊は半ば強引に1列目のど真ん中へ座らされ、優勝トロフィーを持たされる。

その両隣には級長と副級長。


カメラのシャッター音が何度も響く。

「柊、笑えよー!」「もう1枚!」

柊は顔を赤くして少し困った表情。

しかし内心では(…みんな、こんなに俺のこと見てくれてるんだ…)

胸の奥がじんわり暖かくなる。普段は「俺なんか…」と蓋をされている感情が少しだけ溢れ出す。口元も自然と緩んで笑顔になる。

本物の、照れくさくて、けれど心からの嬉しさの笑顔。

クラスの皆との絆が深まったような感覚の中、最後の体育祭が終わった。


家に帰って疲れを癒していると、クラスのグループでなく、個人でLINEが届いた。

送り主は、副級長だった…

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