ポチくん?!
『 炬燵とは? 』
ん~、ローテーブルに正方形の薄い布団を掛けて
中に火鉢を入れて暖まる暖房家具?・・・うまく説明出来ないな。
と思ってイラストで描いてみた。 こんな感じかな?
『 なるほど、火鉢とな 』
火鉢は解るんだ。
『 火鉢の代わりに 火の魔石で暖をとればよいか 』
『 この炬燵とやらは我とルシェで作ってみよう 』
じゃぁお任せして私は炬燵布団を・・・ ついでに座布団も縫って見よう。
じつはこっそりと端切れも買ってあったのよね。
どうせ冬は家の中に居る事が多いし
布のコースターとか簡単な物を暇潰しで作ってみようかと思ってたのよね。
毛糸でマフラーや手袋にすればって? 無理無理、編み物はもっと苦手。
翁のマフラーくらいなら、毛糸を三つ編みすれば出来そう?・・・
今度試してみよう。今はまず炬燵布団よね。
出来た!!
20㎝くらいの炬燵 かわいい・・・。
炬燵布団の色はオレンジ、うちにあった炬燵布団をイメージしたのよねぇ。
そしてやっぱり翁によく似合う。これに湯呑と急須と蜜柑があれば・・・
さすがにない・・・あるの? え?翁 今どこから出したの?
なんで湯呑とか急須しってるの、しかも翁サイズ。この国にはないよね?
さすがに蜜柑は・・・あるんかーい!って 金柑かぁ。びっくりした。
そう言えば・・・小豆買ってきてたよね私。
買った海藻の中に天草もあったよね?
これ羊羹つくれるんじゃ?・・・
『『『 羊羹とは? 』』』
茹でた小豆を潰して砂糖を加えて・・・うん説明メンドクサイ。
明日作るから待ってて? きっと見た目に驚くだろうけど。
ついでだからぜんざいと餡子もつくっちゃおうかな。
となると白玉も欲しかったなぁ。お餅でもいいんだけど。さすがに無いよねぇ。
「その白玉やお餅の材料は何だ?」
「もち米ってゆうお米だよ、港町で探してみればよかったなぁ」
『 餅やもち米を所望か? 』
うわぁぁおっ、誰?!
『 これは失礼。 我が子がここで世話になっていると聞いて挨拶に参った 』
我が子?・・・ えーっと。精霊も要請もいっぱいいるんだけどどの子だろう?
『 母上! 』
え?! ええ~?! ポチくんのお母さん?! 女王蜂?! 女王様?!
『 息災か?愛し子殿に迷惑は掛けておらぬか? 』
『 僕ちゃんといい子にしてるよ。皆と仲良くしてるよ 』
うんうん、ものすごく助かってます、ポチくん働き者だし!
『 左様か、安心いたした。これは世話になっておる礼だ、受け取っておくれ 』
手渡されたのは・・・蜂蜜!! こんなにいっぱいいいんだろうか?
冬場の食糧なのでは? 大丈夫? 越冬できる?
『 心配には及ばぬ、住処に戻れば蔵にたんまりとあるでな 』
蔵?! そ、そっかぁ。たんまりと・・・ では遠慮なく。
有難うございます!!
『 して餅ともち米であったか? 』
はっ、そうそう。あればなぁとは思ったけども。
『 実家の蔵にあったと思うが。問い合わせて後日届けよう 』
ご実家ですか・・・。あるんだ、お餅にもち米。
『 では我はこれにて失礼するが、ポチ年末には戻っておいで 』
『 うん、母上。わかったよ 』
お見送りした後に思ったんだけど、ポチくんのお母さん蜂の姿じゃなかったよね?
『 母上は特別なの 』
そっか、特別なんだ。うん深く考えたら駄目な気がする。
『 魔王様の寵愛を受けてるからなんだって! 』
わぁお、魔王様の寵愛・・・。まさかポチくん魔王様の子供?
『 うん、一応そうみたい。でも僕魔蜂だから・・・ 』
あー・・・察し。色々あるよねぇうん。
でもね、ポチくんはポチくんなんだから。
誰かに何か言われても気にせずに、自分らしく居ればいいと思うよ?
『 うん! ありがとう愛し子! 』
で、何しようと思ったんだっけ・・・
あ、餡子と羊羹!! 小豆水に浸しておかなきゃ!
読んで下さりありがとうございます。