雪だるま
冷たい・・・ 顔の右半分がすっごく冷たい。何故?
冷たくて目を覚ました。
おかしい、布団はしっかり掛かってる。頭の周りには手の平ーズ・・・
温かいハズなのに・・・
『 おしゃかな・・・ むぐむぐ・・・ 』
ヴィー?? むぐむぐってそれ私の髪の毛よね?・・・
・・・・・
うぎゃぁぁぁ、冷たいのってこれ涎じゃん! ヴィー!起きて目覚まして!
湖出来てる、涎の湖出来てるぅぅぅぅ!!
はぁ・・・真冬の朝に髪の毛洗うはめになるとは・・・
『 ごめしゃい・・・ 』
気を付けてね?
ルシェがクリーン魔法を掛けてくれると言ったけど気分的に洗いたかったのよ。
あ、シーツはさすがにクリーン魔法をかけて貰った。
今の時期外に干したら凍りそうだしね。
気を取り直した朝食後。 さぁやるわよ!
何をかって? 雪だるまに雪ウサギ・かまくら! 作るわよぉ!
ちゃんと手袋は忘れずに、防寒対策もしっかりと!
と思ったのにパウダースノーみたいに水分が少ない。むぅ・・・
『 湿らせればよいのか? 』
とディーヴァが霧雨を一瞬降らせてくれた。おぉこれならいけそう。
ぎゅっぎゅ コロコロ ぎゅっ
小さな雪うさぎに雪だるま。
さらにはもっと小さな雪うさぎまである。
これは翁が作った物だろう。
どこからか見つけて来た小さな赤い実と葉っぱで目と耳まで作ってある。
さすが翁。どうやら雪うさぎを知っているみたい。何故とは聞かないよ?
だってなんとなくだけど、また寝言とか言われそうなんだもの・・・
手の平サイズの物から膝下サイズの物まで色々な雪だるまが出来た。
いかにも冬って感じでいいね。
こうなると大きい雪だるまに挑戦したくなるじゃない。え?ならない?
私が頭を、男性陣で胴を。 コロコロと雪玉を転がしていく。
コロコロ ぎゅっ コロコロ ごろごろ ゴロンゴロン
おぉ?いい感じに出来たんじゃない? 枝や葉で顔を作ると何処かで見たような?
「父上 ここで何を?」
ぶふっ そうか、バルドさんに似て・・・ ふふふっ 駄目、笑いが。
ルシェ解って言ってるよね?
「じゃあこっちは アルテシアさんっぽくしてみる?」
口の枝を赤い葉っぱに変えてみた。何か物足りないな。
と、翁が何処からか持ってきた団栗をネックレスに見立てて埋めていく。
お、いいね。華やかになってきたね。それっぽく見えて来たから不思議だよね。
『 ならば 全員を作ってみてはいかがか 』
それいいね、おもしろそうと皆で雪だるまにそれぞれ個性をつけて行く。
ディーヴァ上手いね? 氷像みたいに・・・ってそれもぅ雪だるまじゃないよね?
クレハもなんか雪だるまと違うような?・・・
翁に至っては何でそうなった?それって某アニメのキ〇〇タオヤジっぽくない?
え?夏の自分をイメージしたらこうなった? 嘘でしょ・・・
手の平ーズはちゃんと雪だるまっぽくて可愛い。
おぉ?誰が作ったのか虎徹そっくり!て思ったら雪を被った虎徹だった。
何してるのよ・・・
私? 私の雪だるまは至って普通の雪だるま。帽子はニット帽を被せてみた。
うん、可愛い可愛い。
一気に庭が賑やかになった気がする。 そうだ!
小さな遊具を作ったらどうだろう。 ブランコや滑り台。
そうすればあの雪の妖精が来た時遊べるんじゃないかな?
と皆に提案し午後からはミニ遊具を作る事になった。
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