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動く雪だるま

それから2日後 窓の外は一面の銀世界だった。


わぁ、びっくり・・・


普通初雪ってさ、チラッと雪が降ったり薄っすら積もる程度なんじゃないの?


少なくとも私はそう思って居たのよ。


昨夜まではそんな気配まったくなかったじゃない。


そりゃちょっと冷え込むなとは思ったけど。


なのに朝起きたらドッカリ降ってるのよね。積雪1m以上あるんですけど?


そんなに降らないって聞いた気がするんだけども?


しかもまだ降り続けてたりするんだけども?


なんでこんなに降ってるの!


あ、雪だるまとかカマクラ作れるかな?作れそうだよね?


ってそうじゃない。まずは雪掻きしなきゃ。



ぐっ・・・ ドアがびくともしない・・・


嘘でしょ、ちょっとやだ。どうするのよこれ・・・


落ち着いて私。こういう時はどうしてたっけ?




1、業者に電話する


はい、これはボツだね。 業者とかなさそうだし。まず電話が無いよね!



2、2階から飛び降りて雪掻きをする


よし、これだ! 2回は無いけどロフトがあるじゃない。


ロフトの窓から出れば・・・


無理だった。ロフトに窓無かったぁぁー。



どうしよう。あ、普通に窓から出れば・・・


うぐっ・・・  凍ってて開かない。



『 慌てるでない。我とクレハで今対応しておる 』


対応? 雪掻きしてくれてるの?


『 んむ、雪掻きと言うか・・・。魔法で溶かしておる 』


なるほど、魔法でぶわぁっとね? 溶かしてるのかぁ。


って、待って待って?


溶かしたらそれべっちょんべっちょんのドロドロにならない?


しかも寒さで凍ってツンツルテンの氷になりそうよね?いや、なるよね?


アイスリンクになっちゃうよね? 確実に私歩けなくなるじゃん!


待って待って、ディーヴァクレハ、ちょっと待ってー!


溶かすの待ってー!ドアが開くだけにしてぇー!!


『 む? 何か不都合があるのか? 』


これだけの雪全部溶かしたらね?巨大な水たまりになると思うのよね?


それでね、寒さで凍結すれば巨大なアイスリンクが出来て歩けなくなるのよ。


だからね?ドアさえ開けば雪掻きするから!


『 なるほど。承知した 』


ほっ・・・


自慢じゃないけど私氷上を歩くのは苦手なのよね。


友人にもヨタヨタしてて見てるこっちが怖いと言われていたし・・・



あ、ドアが開いた。


ディーヴァ、クレハ ありがとう。後は私がやるから休んでて。


つんつんっ


ん? あれ翁どうしたの?


差し出されたそれは・・・


カンジキ!


おぉっ、どうしたのそれ? え? 翁作ってくれたの?


よく知ってたねカンジキなんて。凄く助かるよ。


うん、これで雪の上でも歩きやすい。


ザッシュザッシュ ぽいっ ザッシュ ぽいっ ザクザクッ


水分の少ないサラサラ雪でよかったと思う。


水分が多いと重くて腰痛めたりするものね。


取り敢えずは人が通る所だけでいいかなぁ。


厩と牛舎も周りもかな。屋根は・・・雪が止んでからにしよう。


「xxxxxx」


何か聞こえたような?


まさかね、こんな大雪の中。気のせいよね。


「xxx・・・ xxxゼ! ロゼ!」


うわぁぁ雪だるまが動いてる!こっちに向かってくる!


え? なんのホラー?! 怖いよっ! 


『 落ち着け あれは・・・ ルーシエだな 』


へ?ルシェ? 


段々と近づくにつれ・・・やっとルシェだと確認できた。


「もぉルシェ、びっくりさせないでよ」


「すまん、急なこの雪だろ? 心配でな」


わざわざ来てくれたのね、ありがとう。それにしても・・・


「雪だるまかイエティかってな恰好になってるね・・・」


「この雪だからな?」


『 話は中でしたらどうか。 風邪をひいてしまうぞ 』


確かにそうだね。


「中に入って お茶でも飲みながら話そうか」


家の中に入れば虎徹がバスタオルを咥えて待っていてくれた。


さすが虎徹、ありがとう。

読んで下さりありがとうございます。

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