食べ過ぎた
ででんっ! でででんっ!
なにこの量・・・。学校給食ですか 炊き出しですか?
何かのイベントですかね?と言いたくなるような大鍋がおかれている。
そりゃ確かに鍋が美味しいとは言ったけどね?・・・
こっちの鍋ってのはこんな感じなのかな?・・・いやいやそんなはずは。
鍋料理が無い事も想定してザックリ説明はしたけども。
鍋のサイズ感は言わなかったなぁ・・・。まさかと思うじゃないよ。
こんな事なら詳細に説明すればよかったかも・・・。
まぁ後悔しても今更よね。
これはこれで美味しそうではあるしある意味名物にもなりそうだけどもっ。
「ロゼ 凄く・・・豪快な料理だね?」
「あー、うん。私も驚いてる。でも美味しいのは間違いないと思う」
勿論2人でこの量を食べる訳ではないので、そこは安心。
他のお客さん、主に常連の漁師さん達も居る訳で
「遠慮なくどうぞっす!お嬢さんに教えて貰った料理っすよ」
そう言いながらよそってくれたのはいいけれども、それ丼椀じゃないかな?
食べきれるかな私。
「ロゼ、これ凄く美味しい!身がプルップルだよ」
流石男の子、ガツガツと食べている。
私も頑張って食べよう。 せめて1杯くらいは完食したい。
パクッ もぐもぐ。
うん。やっぱり美味しい。このプルンプルンの身が最高!
味付けもほんのり醤油の風味が利いてていいね。
トゥブにも味が染みてて はぁ~幸せ♪
と周囲から笑いが起きた。あれまさか・・・まぁいいか。美味しいんだもの。
ちゃっかりクレハも人に紛れて食べてるし。
私は1杯が限界だった。刺身もあったしね?
ルシェとクレハは3杯も食べてた。凄いなぁ・・・。
虎徹はちゃっかりアラの部分を貰っていてタマモと一緒に食べていた。
食べ過ぎたと唸っていたら隣りの席のおばちゃんがコッソリ胃薬をくれた。
ありがとうおばちゃん。凄く嬉しいかも。
お代を払って宿に戻り さっそく胃薬を飲む。
このままベットに潜り込みたい気持ちもあったけど、今寝たら胃もたれ確定しそう。
お風呂にもはいらなきゃだし。
「美味しかったから食べ過ぎちゃったね」
『んむ』
クレハもウンウンと頷いている。
2人はお茶を飲んでいるけど私はもうお茶すら入らないよ・・・
「さぁラファ。めんどくさくなる前に先にお風呂にはいっちゃって」
「えー、僕魔法で終わらせるからいいよ」
「だーめ。潮風にも当たってるし疲れてるんだからお風呂に入って。
特別に入浴剤いれてあげるから!」
「入浴剤! ほんと? 入る!!」
まあなんちゃって入浴剤なんだけどね。
乾燥させた柚子の皮と色付けにクチナシの実をカーゼに包んで湯舟にぽいっ。
色と香りで雰囲気は出せるのよ、ふふふ。
「一緒に入る?」
ちょ、ラファ何真顔で言ってるのよ。
「それはちょっと駄目なんじゃないかな?」
「えー。駄目なの?」
「一応ラファも男性だからね?」
「そ・・・そっか。ちぇ残念」
ここは敢えて男の子とは言わず男性にしておいた。
『ふむ、独りだと心細いのか。よかろう、なら我が付き添ってやろう』
ぶっ クレハが一緒に入るの?精霊王もお風呂とか入るんだ。
浴槽狭いんじゃないかな。一緒に湯舟に浸かったら密着しそうよね?
ちょっと一瞬良からぬ想像しちゃったけど・・・気にしないでおこう。
美丈夫と美少年・・・ いやいや だから考えるな私。 ハッハッハ・・・
「ラファ、クレハが一緒に入るってー」
「え?なんで? ちょ。荷物みたいに抱えないでよ!」
早く行くぞと言う様にクレハはラファを小脇に抱えて行った。
クレハ・・・その抱き方はちょっとどうかと思うの。
いやお姫様抱っこもどうかと・・・案外有りかも・・・ってそうじゃない。
うん、まぁ頑張ってラファ。何をかは知らないけども。
読んで下さりありがとうございます