閑話:3精霊の会合
本編とは関係の無い息抜き的な話です。
深夜 月明りの元3人の精霊がひっっそりと会合を開いている。
ディーヴァ・クレハ・翁 の3人である。
「時に兄上 ロゼの伴侶は誰が有力か?」
「我としてはルーシエが好ましく思う」
「あの者口下手よのう、フォッフォッフォ」
「だが兄上 ラファイエもなかなか捨てがたいぞ。
若いのに気が利く。先日も我の楓に腐葉土を鋤入れてくれておった」
「んむんむ、その者儂の紅葉にも枝の負担が減るように添え木をしてくれた」
「どちらも心根の優しき者達よな」
「肝心なのはロゼの気持ちではなかろうかの?
儂等は見守ればよい。フォッフォッフォッフォ」
「我が愛し子が幸せであればそれで良い」
「兄上 我等の愛し子であるぞ」
「む? いつから其方の愛し子となったか」
「此処へ参ってからか」
「我は許可しておらぬが?」
「兄上の許可はいらぬであろうに。
そも我は図でに口付けを交わしておるゆえにな」
「あれは不可抗力であろう。ロゼの生命力を別けて貰っただけであろうが」
「口付けには変わりない」
むむむと眉間に皺を寄せるディーヴァ。
しばし悩んだ後 すくっと立ち上がる。
「兄上 いかがした?」
「少々所用を思い出した。ではな」
「フォフォフォ、儂も戻るとしよう。またの」
刹那 奥義は物凄い勢いで飛んで行った。
「!!!」
ディーヴァは翁の行き先に心当たりがあり これまた飛んで行った。
「2人共急にいかがしたか・・・ハッ」
遅れることしばし、クレハも二人の行動を察した。
「老公!兄上! 抜け駆けはいかがなものか!」
「抜け駆けも何もないであろう」
「フォッフォッフォッフォ」
この時3人は忘れていた、今は深夜である事を。
バァン!!
勢いよく扉を開け下手になだれ込む3精霊。
ビクッと体を震わせ目を覚ますロゼ。
「「 ロゼ! 話が・・・ 」」
「ディーヴァ、クレハ・・・
今何時だと思ってるのぉぉぉ! 話は起きてる時にしてよ!
安眠妨害反対! 出て行けぇぇぇぇぇぇ!!」
パコッ ポスッ スコンッ
毎度お馴染み片手桶アタックである。
なお翁はササッと虎徹に隠れて寝たふりをし回避した模様。
2人を追い出した後 ロゼは大きな溜息をつき再び眠りにつく。
窓の外 遠目にそれを見つめる2人の精霊王。
「「老公 ずるいではないか」」
翁は外を見やり 親指を立てて グッ と笑い眠りにつくのであった。
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