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ミニ盆栽?

そして今私は自分の家に戻って来たのだけど、少し気になる事があった。


精霊の大移動ってどうやって?


飛ぶ? まさか徒歩じゃないだろうし。


あ、クレハみたいにゲートみたいなのをくぐって?


『 飛ばぬし歩かぬ。 あの転送陣は魔力を多く消費する。

  クレハの様に単体ならまだしも大勢は無理だ 』


じゃぁどうやって? あ、海を泳ぐ?


『 泳がぬ。 泉を通って移動するのだよ 』


へぇー。泉で。  ・・・  どうやって?


『 精霊の住まう泉は魔力で繋がっておる 』


つまりは泉そのものがゲートみたいな感じ?


『 んむ 』


もしかして私も通れたりは・・・


『 出来ぬ 』


やっぱり? 残念。


いやね? こっそりその王女だかって寝室に行って


ぶわぁーっと花粉ぶち撒けたらなぁなんて思ったわけですよ。


『 ロゼ 地味に嫌な事考えるな 』


地味だけどアレルギー持ちにはキツイと思うよ?


洗っても落ちにくいし。ユリの花粉とか特に。


なんて事を話してたら クレハが泉から戻って来た。 大きな楓を抱えて。


ん? その大きな楓抱えて来たの?!だってそれ巨木よね? えぇぇ・・・


『 我の依り代だからな これだけは残せぬ 』


なるほど。 あれ? じゃぁディーヴァの依り代は?何処かにあるの?


『 目の前にあるではないか 』


目の前? まさかこのトウヒ?! え?でもこれまだ若木よね?


『 前の依り代は老木だったのでな、その老木の子とでも言うべきか 』


なるほど。だったら最初からそう教えて欲しかったよ、うん。


で、クレハの楓は何処に植えるのだろう?


『 そうだな、寝室側の裏庭にでも根を下ろそうかと 』


あー、裏庭は芝生しか植えてないからいいかもしれないね。


「ねぇクレハ、向こうの森はもう全滅? 新芽とか幼木とか残ってないの?」


『 探せばあるやもしれぬ、が可能性は限りなく低い 』


そこまで破壊されちゃってるんだ・・・。


『 見てみるか? あまり気のいい物ではないが 』


見れるの? 見れるならこの目で見ておきたい。


戒めとして、ちゃんとそこに森があって生命がいたんだと覚えておきたい。


私には見て覚えておく事しか出来ないけど・・・


『 では・・・ 』


ディーバが水面に手をかざすと そこに風景が映し出された。


まるでニュースで見た山火事の後のような・・・黒く焼けただれた森。


本当に・・・一輪の花すら見当たらない。泣きたくなる。


ドローン撮影の様に移動しながら映し出される風景。


朽ち果てた古木。 切り倒された大木。 泣くな私、しっかりと見るんだ。


と、滲む視界に今にも倒れそうな老木を見つけた。


まだ枯れてない。焼かれても無い。


思わず水面に手を突っ込んだ。 


手を突っ込んだ所で大きな老木を掴めるわけもないのにね。


『『 ロゼ!! 』』


慌ててディーヴァが私の手を掴み泉から引き上げる。


手が火傷したみたいに痛い。


やっぱり精霊の泉に手を突っ込むのは無謀だったかぁ。


きっと人間が入れない様な仕組みがあるんだろうなぁと思って手をみたら・・・


『『「 ・・・ 」』』


ディーヴァ・クレハ・私の3人は固まってしまった。


だって・・・ さっきの老木が・・・


手の平サイズのミニ盆栽になって私の手の中にあるんだもの!!!


どういう事?! 何が起きてこうなったのぉぉぉぉぉ?!



読んでいただきありがとうございます。

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