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難しく考えないで

「大丈夫ですか?」


女の子が声を掛けてくれる。


「あ、すみません。ゲフッゴホゴホッ

 虎徹が喋ったものですから・・・」


喋ると思わないじゃないよ、ねぇ?


「なるほど虎徹の声が聞けたのですね?

 よかったわ、さすが精霊の愛し子ですね」


うふふっ て笑ってるけど、これも精霊の愛し子効果なの?


マジかぁ・・・ 凄いな精霊の愛し子。


「 あ 」


え? あ って何? まだ何かあるの?


「申し遅れました。

 私はハイディア。 この家の娘で末っ子です。

 宜しくお願いしますね」


にっこりと笑う姿は 本当に可愛い。


「私はロゼ。 この子達は虎徹と翡翠。

 元の世界からの()()です。

 宜しくお願いします」


お互いに簡単な自己紹介を済ませ世間話に花を咲かせる。


「えぇぇ、ロゼは28歳なのですか?!

 見えませんわ! 17・8かと・・・」


「そんなに若くはないですよ?

 ハイディアさんは・・・14くらいかな?」


「ええ、ラファイエも14です。私達双子なので。

 ルーシエ兄様は17ですね。

 お母様は   」


パンッ!


手を打つ音と共にアルテイシアさんが部屋にやってきた。


「お母様は永遠の18歳ですっ!

 ハイディア 貴方お勉強の続きは?

 休憩時間はもぅ終わったのではなくて?」


ニコッと微笑むアルテイシアさんの顔は 何故か圧を感じた。


永遠の18歳・・・ 深く聞くのはよそうと思った。


うん、どこの世界でも心は永遠の乙女よね。私は違うけど・・・


女子力 低かったもんなぁ・・・


フッとトオイメになったのは仕方がないと思う・・・


「そうだったわ。まだお勉強が残っていたんだわ。

 ごめんなさいねロゼ、慌ただしくて」


「気にしないで、ハイディアさん。

 お勉強 頑張ってね」


「ではまた後でね。

 あ、お母様。 ロゼは虎徹の声も聞けたそうよ」


そう言い残してハイディアは部屋を後にした。


「ロゼ、虎徹の声が聞こえたの?」


あ、そうだ。ちゃんと報告して聞いてみなきゃ。


「はい、アルティシアさん。

 虎徹の声が聞こえたのも精霊の愛し子だからですか?」


「ええ、そうだと思うわ。

 ただ・・・この世界の動物達の声が聞こえるかは解らないわね。

 虎徹と翡翠はロゼと一緒にこの世界に来てしまったから特別なのかもしれないわね」


そっかぁ、一緒に来ちゃったから・・・


私が精霊の愛し子なら・・・この子達は精霊の愛犬と愛猫?


なんか違うよね? 違う気がする。


「ふふふっ 難しく考えないで?」


「あ・・・」


また声に出してたみたい。おかしいな。


私こんなに独り言っぽく喋ってたっけ?


あー、うん喋ってたわ。虎徹や翡翠相手に・・・。


「いつも話しかけてたからこそ、

 そうやって絆も深まって会話が出来るようになったんじゃないかしらね?」


なるほど? そうだったらいいなぁ。


虎徹も翡翠も私と喋りたいと思ってくれてたなら嬉しいな。


「そうだと嬉しいですね」


「さぁ、夕飯までゆっくりと休んで居て頂戴。

 病み上がりなんだから無理はしないでね」


「ありがとうございます」


アルテイシアさんが部屋から出て行くのを見送って ふぅっと息をついた。


精霊の愛し子として呼ばれた


何故か虎徹と翡翠も一緒に


元の世界に戻る事は出来ないらしい


この世界には精霊や妖精が存在するらしい


私は 他の人には聞こえない精霊や妖精の声を聞いて会話をすればいいらしい


まだまだ分からないことは多い、と言うか解らない事だらけ


それでもここで現実問題としてここで、この世界で生きていくしかないなら


悩んでも仕方がないよね。


私物も片手桶だけじゃなく2つに増えたし!増えなくてもよかったけど!


虎徹も翡翠も居る事だし!


うん、前向きに考えよう! 自分らしく 自分に出来る事を!


そうだよ、自然豊かな国だと言うなら 念願のスローライフもいいじゃない!


よぉし、まずはちゃんと体調を整えてからだね! ファイト!私!!


エイエイオー とポーズをとったら・・・


庭を通りかかったルーシエくんと窓越しに目が合った・・・


チーン・・・


毎度何故に変なタイミングで現れるかなルーシエくんよ・・・

読んで下さりありがとうございます。

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