3日かかるが?
この世界に来てからはや3ヶ月。 夏真っ盛りのこの日私は絶叫した。
「なにこれどうなってるのぉぉぉぉぉ?!」
だって・・・
クリーンカーテンにフウセンカズラを植えたはずなのよ。見た目も涼し気だし。
なのに・・・なのになんでゴーヤになってる訳?!
『 だってこれなら食べれるし一石二鳥じゃない? 』
フラウ・・・。
いや確かに食べれるかもしれないけどね?
だったら胡瓜でも良かったんじゃないかな?
何故にゴーヤをチョイスしたの・・・。
『 夏バテ防止にいいみたいだし? 』
いやいやいや、確かにそうなんだけどもっ。
ゴーヤなんてチャンプルーしか作り方知らないんだけど?
しかも豆腐も醤油もないよね?・・・
どうすんのよこれ。
サラダやフリッターでもいけそうだけど量が消費できないよ?・・・
て事で現物を持ってお屋敷に行くことにした。
ここは料理長に相談よ!
「これは無理です!そもそもなぜこれを食べようと?・・・」
やっぱりぃ?・・・
私もさ、フラウが何処からこれの種持ってきたのか不思議なのよねぇ。
少なくともこの国には無いと思うんだ・・・
せめてズッキーニならだまマシだったのに・・・
「豆腐と醤油があればなぁ」
「豆腐と醤油とはどんなもので?」
「大豆って言う豆から作るんですよ、どっちも。
豆腐はそうねぇ。白くてプリンよりはちょっと硬い感じ?
醤油は黒っぽいソースみたいなしょっぱい調味料。」
「黒っぽくてしょっぱい・・・カンジャンみたいな感じですかね?」
カンジャン?! それって韓国醤油の事じゃない!
でも名前が同じだけかもしれないし・・・
「料理長 それってどこで手に入ります?」
「港町でなら売ってるんじゃないかな。
俺も港町でカンジャンを使った料理を食べた事がある。」
港町!! 港があるから貿易品も扱ってるって事?
それとも港町独自の調味料なのかな?
「ちょっとバルドさんに聞いてみます!料理長ありがとうー!」
「手に入りそうなら教えてくれよ!」
「はーい!」
とそのままバルドさんの仕事部屋へ突撃した。
バァーンッ!
つい力が入って思い切りドアを開けてしまった・・・アハハ
「ロゼどうしたんだい?・・・」
「ごめんなさいお父さん。ちょっと気持ちが先走ったみたい」
「なにかあったのかい?」
「お父さん!港町にカンジャン扱ってる店ってある?」
「カンジャンかい? そうだねこの時期なら東の大陸から貿易船が来てるはずだ。
荷の中にあったかもしれないな」
やった!!
「港町に行ってみたいんだけどいいかな?」
「ロゼはそのカンジャンが欲しいんだね?」
「うん! これを調理するのに使いたいの!」
手に持っていたゴーヤを見せる。
「これは・・・なんだね?へちま・・・ではないな。」
「ゴーヤと言う野菜でね、夏バテ防止とか美肌効果とかあるんだよ!」
「あらぁ美肌効果があるのぉ?」
わっ、ビックリした。どこかからか現れたアルテイシアさんが食い付いた。
「ほう、どんな味がするのだろうね」 ガブリッ
止める間も無くバルドさんが一口齧った・・・
「・・・・」
口を押え何処かで走り去った・・・まぁそうなるよね。
そのまま食べたらえぐみ凄いもの・・・
「バルドさん、軽く塩もみするか湯通しするかしてあく抜きしないと・・・」
「港町に行けばこれを美味しくする材料が手に入るのぉ?」
「うん。料理長が港町でカンジャンを使った料理を食べたみたいで」
「じゃぁ皆で行きましょうかぁ うふふ
港町はこことはまたガラッと街並みが変わるから驚くわよぉ?」
アルテイシアさんの一言で港町への家族旅行が決定した。
楽しみだよ! 貿易船が来るって事は色々なものがあるだろうし。
新鮮な魚もあるよね。あああ、保冷BOXが欲しい!!
『 保冷BOXとはマジックボックスのような物か? 』
「そうそう、保冷効果が高い箱の事なんだけどね。
そこに氷を入れれば鮮度も保てるから魚も買って帰れるかなぁって」
『 ここから港町までは馬車で3日かかるが? 』
「・・・ さすがに3日は無理だね・・・」
『 我が凍らせてマジックボックスに入れればよかろう 』
「マジックボックスって 収納量が多いだけじゃないの?」
『 我が作った物には時間停止機能もあるが? 』
「え?・・・ じゃあうちの冷蔵庫もどきも?」
『 んむ 当然だ 』
あぁぁぁぁ、道理で卵がずっと新鮮なハズだよ・・・
ディーヴァはやく教えてよぉぉぉぉ。
読んで下さりありがとうございます。