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きゅ?

案内された育苗場所には


でででんっ!


とばかりにハーブが混在していた。うん、これじゃ苗が育たないよね。


「作物同士で相性の良い物悪い物があるのはご存じですか?」


「ええ、父からも教わってるから」


「薬草の中にも作物と相性が悪い物もあるんですよ」


「あらそうだったの?! 料理にも使えるからとそのまま放置してたわ」


「薬草は根が強くて増えやすいので、根止めの板で薬草の場所だけ囲うか

 畑と離れた場所の方がよいですね」


私も過去ミントをプランターに植えてるからと油断してたら


底から根が伸びて繁殖しまくってたのよね。あれは困ったのよ。


「そっか、だから父は薬草を庭に植えていたのね」


「薬草の生命力は強いです。葉が伸びるのも早いですよ。

 だからどんどん収穫しちゃって使い切れないのは乾燥させておくとよいですよ」


「乾燥・・・。もしかして父が残しておいたのって・・・」


「乾燥させてあったんですか? 

 それならきっとお茶にしたり料理に使ったりしてたんでしょうね」


「お父さんそんな使い方してたの?!

 あぁぁぁ、使い忘れて枯らしたのだと思って捨てちゃったぁぁぁ・・・」


まぁ知らない人が見たらただの枯れた草よね・・・。


この世界ではフレッシュハーブの方が一般的なのかな?


「もぉお父さんそれも教えておいてよぉー!」


ふふっ、それっておじいさんからの宿題だったんじゃないかな?


自分で考えて工夫してごらんって。


あら? さっきいた妖精の1りがトコトコやって来る。


どうしたんだろう?


「おじじはラダなら大丈夫。諦めないで頑張れる。って言ってた」


やっぱりね。 教えてくれてありがとね。 


おじいさんは全部を教えるんじゃなくて自分なりに頑張れって


試行錯誤して乗り越えろって言いたかったのかな。


「おじじはこの畑が好きだった。農園が好きだった。

 おじじはラダもテオも好きで心配してた。

 おじじは僕達の声が聞こえなくてもいつも話かけてくれてた」


その事も伝えていいかな?


「うん。でも恥ずかしいから隠れるまで待ってね?」


トトトッ と速足で去って行った。本当に照れ屋さんなんだなぁ。


隠れたのを確認してから2人に伝える。


ラダさんは泣きそうになって お父さん と呟いていた。


テオくんは凄く嬉しそうに笑って妖精めがけて一直線に走って行った。


ほら、やっぱり隠れられてないじゃない。可愛いんだけど。



こうして苗の元気がない問題は片付いて、余ってた苗も別けて貰えた。


夏野菜の苗げっとぉー! いぇい!


「 苗いっぱい 僕お仕事頑張る! 」


お礼を言って帰路につく事にする。


「ありがとうございました、助かります!」


「こちらこそ助けてもらちゃってありがとう。

 また遊びにきてちょうだい、いつでも大歓迎よ」


「お姉ちゃんまたね~!虎徹もまたねぇ~!!」


いい出会いがあってよかったとホクホクしながら帰ったら・・・


『 きゅ? 』


何故かハリモグラが付いて来た。 

うん、もぉねどんどん増えるのには驚かないよ。


驚かないけどさぁまさかハリモグラだなんて思わなかったわよ!

 

読んでいただきありがとうございます

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