これだ!
ラダさんの農場は町から馬車と馬で30分くらいの場所にあった。
うわぁ、意外と広い。いや農場だから広くて当たり前よね。
「私と近所に住む従兄弟たちの5人でやってるから狭いのよ」
へ?これで狭いの?! うわぁ・・・
例えるなら・・・何に例えればいいのか解らないや。アハハハ・・・
よく例えに使うテニスコートとか球場とか大きさ解らないのよ。
「時々ね 妖精さんが手伝ってくれるんだよ。コッソリと」
ニコニコしてるけどテオくんが知ってる時点でコッソリじゃないと思うんだ・・・
「ふふっ 妖精達が隠れてるつもりみたいだから私達も見てない振りしてるの」
なるほど、照れ屋さんの妖精なのかな?
あ、うん照れ屋だね。ものすごーく照れ屋だね。
隠れてるつもりだろうけど、お尻だの髪の毛だのがチラチラ見えてるよ?
それにしても・・・7~8人いない? 凄いね・・・
「父と仲が良かったみたいなの。だから今もこうして居ついてくれてるのね」
なるほど、さっきのテオくんの言葉といい
すごく優しいおじいさんだったんだろうなぁ。
『 あのねあのね 伝えて欲しいの愛し子。
おじぃにお願いされたの。
ラダやテオが笑って暮らせるように見守ってやってくれって。
おじぃはいっぱいお菓子くれて可愛がってくれたから。
僕達はおじぃのお願い叶えるの 』
『 あのね愛し子。 テオも優しいの。
僕達の好きなお花植えてくれるの。お水もくれるの 』
『 うんうん。ここはね温かい場所なの。
私達 ラダもテオもここで働く人もこの場所もぜ~んぶ好きなの。
だから伝えて愛し子。いつも笑っていてって 』
か、隠れていても話はしてくれるんだ・・・。
うんうん解ったよぉ~。おじぃさんも優しかったし皆も優しいんだね。
妖精達の言葉を伝えるとラダさんはちょっと驚いた顔になった。
「ロゼは愛し子様だったのね」
「えっと・・・そうみたいなんですけどその・・・
普通に接してもらえると嬉しいです・・・」
だって愛し子さまとか恥ずかしいじゃないよ・・・
「解ったわ、じゃあ遠慮なくそうされてもらうわね?」
「是非・・・お願いしたく・・・」
ラダさんはクスクスと笑っていた。
で見た限り畝に植えてある野菜達は順調に育っているように見える。
そうよね?妖精達だって手伝ってくれてる訳だし。
「テオくん、ここの作物は元気だよね?
元気がないのはどれだろう?」
「こっち!キュウリが植えてあるんだけど元気がないんだ」
キュウリ・・・。しっかり水やりすれば育てやすいと思うんだけどなあ。
あれ?・・・
タイム・ミント・ローズマリー・・・
近くにハーブが生えてる・・・ これ相性悪いやつじゃん・・・
もしかして育苗してる場所にもハーブがあったり?・・・
「もしかして育苗場所の近くにもこの薬草って生えてたりします?」
「生えてたかしら?・・・」
「生えてたよ、お母さん」
これだ!
確認のため育苗場所に連れて行って貰った。
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