ポチくん
さて今日は 庭に花を植え付けていくよ!
これから夏に向けてグリーンカーテンも欲しいし。
出来ればツルバラでアーチも作りたい。
欲しかったジャスミンの幼木もディーヴァが見つけて来てくれた。
品種指定してなかったけど
アラビアジャスミンを選んできてくれたのはありがたい。
これで茶葉が手に入ればジャスミンティーが作れるし。
庭の中央にはトウヒが鎮座している、なかなか立派な樹だなこれ。
もっと若い樹かと思ってたよ・・・。
でも夏場には木陰も出来てよさそうだからディーヴァに感謝しないとだね。
さて、何処にどれを植えて行こうか。
成長した姿を想像しながら配置を考えていく。
アルテイシアさんが拘った庭やターシャの庭みたいなのが理想だけども。
そこは私。庭造りは好きだけどセンスは・・・微妙かも。
あーでもない、こーでもないと唸りながら植えていると
「ロゼーーー!! 来ちゃった♪」
アルテイシアさん登場。 ナイスなタイミング。私の唸りが聞こえたのかな?
「うふふ。私の庭が理想的って言ってくれたでしょう?
だからね? 薔薇の苗木持って 来ちゃったのぉ」
あー、最初の頃に話したのを覚えてくれてたんだ、嬉しいな。
にしても・・・馬車いっぱいの薔薇の苗木って・・・
「私もねぇ少しだけにしようと思ったのよぉ?
ロゼが好きだと言っていた白や薄紫を中心に選んでいたの。
でもねぇ・・・」
『 うふふっ私が選んだの!ロサダマスケナもあるわよっ! 』
うわぁっ、突然現れないで!びっくりしたぁ。
で? 手の平の半分サイズの此の方は?・・・
『 私達は花の妖精よ。よろしくね 』
達?・・・ 今 私達って言った? 複数??
よく見れば3人の妖精さん・・・。
ローズピンク・ライムグリーン・レモンイエローの3人が
苗木の陰から出て来て笑っていた。えっと、よろしく?
え?ここに住むって事かな?
『 うんうん。私達ロゼのお手伝いするわよ 』
『 うんうん、任せて 』
住むのはいいけど、アルテイシアさんの庭の方は大丈夫なのかな?
『 大丈夫、あの庭には5人残ってるから 』
5人も?! さすがアルテイシアさんの庭だね。
確かにあの庭は妖精にも居心地良さそうだし。
『 この庭もそうなるよ 』
『『『 ね~~ 』』』
そうなるといいな。そうなるように頑張ろう。
そこから順調に植え終わって ツルバラのアーチの原型も出来たし
育てば生垣になるようにミニバラも植えた。
アルテイシアさんが張り切って
「それはこっちよ」「これはこっちね」と指示をだし
手の平ーズと御者のお兄さん、花の妖精たちと私で植えたの。
ちょっと大き目なのはディーヴァが運んで植えてくれた。
うん、一気に庭っぽくなった気がする。定着して育つのが楽しみだね。
『 僕 頑張って蜜集めるね! 』
うん、おねがいね って誰?! ひぇぇ蜂? 手の平サイズの蜂?!
随分大きいけど・・・なんか円らな瞳で可愛いね?
『 あ、この子はペットの魔蜂で名前はポチくんだよ~ 』
魔蜂なんだ。 そしてポチなんだ。ポチって犬のイメージなんだけど。
ん? 待って。蜂って単体じゃなくて巣単位の団体じゃ?
『 大丈夫だよ。僕達魔蜂は繁殖期以外は単体行動だから 』
そかそか、よかった団体じゃなくて。
ハッ アルテイシアさん驚いて・・・ないね、うん。
なんかポチくんとも仲良し?
「仲良しよぉ~、この子のお友達も庭にいるものぉ~」
なんかすごく納得した。
肝が据わっていると言うのかな。
アルテイシアさんなら何が起きても うふふ と受け止めそうな気がする。
「それじゃぁ私はそろそろ帰るわねぇ。また来るわ」
「はい、ありがとうございました」
無理はしないでねと手を振りながら帰って行った。馬車から身を乗り出して。
淑女としてそれはいかがなものかと・・・
夕飯にはまだ早いし、せっかくだから庭でお茶でも飲もうかな。
皆の分も用意して気付く。ポチくんはお茶飲めないんじゃ?
ジュースにすればよかった。
『 大丈夫、熱く無ければ僕飲めるよ 』
飲めるの?! 凄いね魔蜂!!
読んで下さりありがとうございます。