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ロゼ になりました

「それでね。

 妖精や精霊と対話が出来る人が本来は国内で誕生するハズなのだけど

 この300年ほど誕生しなくて・・・」


「過去にも前例が数件だけあったらしくてね。

 史実書にも記録が残っていたんだ。

 対策としては 異世界から精霊の愛し子を呼び招くと載っていたんだよ。

 だから我が家で一番魔力の高い兄上が呼びかけをおこなってね」


「その結果 君が招かれた訳だ。一糸まとわぬ姿で。」


ボッと顔から火が出そうになった。


「兄上!「ルーシエ!」 最後の一言は要らないだろ!「でしょ!」」


ルーシエくんの頭にゴンッと痛そうな拳骨が落とされた。


なるほど、さっき2人が頭をおさえてたのはこれが原因かぁ・・・


「 ・・・ すまない」


「忘れてください・・・」


「努力はする・・・」


努力で忘れられるものなの?


忘れるまでちょっとどついてみようかな・・・


「どつくとは?」


「殴る・・かな?」


ブンブンッと高速で首を左右に振るルーシエくん


あれ?・・・


「もしかしてまた 声にでちゃってました?」


コクコクと頷く3人。 あぁまたやっちゃったかぁ


「気にしなくても良いのよ?

 言いたい事は遠慮なく言ってちょうだいね」


「では・・・精霊の愛し子と呼ばれる人が精霊や妖精と会話できると言う事ですか?」


「ええ、そうよ。」


「で、それが私って事です?」


「ええ」


よくあるパターンとしては 精霊の愛し子って


なんか特別な魔法つかったりだけど、私そんなのないわよね?


そもそも精霊や妖精が居ないとされている世界で


精霊の愛し子って存在するんだろうか?


「ところで・・・今更なのだけれどもね?

 貴方の事 何と呼べばいいかしらねぇ」


あ、そうだった。


名前が思い出せないんだった。何故なんだろうか。


こっちでは発音しにくいとかNGワードとか?


思い出せないんだから考えても仕方がないかぁ。


とは言え 私ネーミングセンスないしなぁ。


「だったら ロゼ と呼んでもいいかしら?

 薔薇と言う意味よ。 好きなのでしょう?薔薇」


そう言って胸元、鎖骨の下あたりをツンッとされ微笑まれた。


そう、私の胸元には小振りの薔薇のタトゥが入っている。


私が一番好きな花だから。


私も微笑んで(うまく微笑む事が出来たかは解らないけど)頷いた。


「ではロゼでお願いします」


「ロゼ 難しく考えないで欲しい。

 精霊の愛し子は 文字通り精霊に愛されている。

 だからこそ 精霊や妖精とも会話が出来るんだ。

 必要がある時だけ僕達に伝えてくれればいいんだ。

 普段は普通に会話を楽しんでもらえればいいんだよ」


「鉢植えに話しかけたりペットに話しかけたり

 それの延長で・・・と思ってもらえたらいいかしらね」


なるほど・・・


普段から仕事の合間に鉢植えや家庭菜園の手入れやってて


普通に話しかけてたもんなぁ・・・人目が無かったからだけど。


ん?・・・鉢植えに家庭菜園・・・


あぁぁぁぁ・・・!!


「あの! 私どのくらいで元の世界に戻れますかね?

 鉢植えの土の入れ替えとか畑の種まきとか!

 あぁその前に草引きと石灰と燻炭と・・・」


3人の眉が八の字に下がった。


あ・・・ もしかして帰れないってパターンですかねこれ。


小説でも8割は元の世界に戻れないってパターンだもんね?




えぇぇ・・・私もなのぉぉぉぉぉぉ?!

読んで下さりありがとうございます。

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