ハイテンションなアルテイシアさん
「こっちのお皿がいいかしら、それともそっちのお皿がいいかしら。
お鍋はこれがいいかしら?でもこれもあったほうがいいわよねぇ。
カラトリーはこのセットがいいわね。
あぁ、服も選ないとだわ。そうね、どれがいいかしら」
あの・・・アルテイシアさん?
準備に一番張り切っているのはアルテシアさんだった・・・。
必要最少限でと言っているのにどんどんと増えていきそうで怖い。
「あ、あのアルテイシアさん?荷物は最小限で・・・」
『だってあれもあった方が、これもあった方がって思うと・・・
これでも減らしたのよ?』
えぇー・・・ これで減らしたの?多すぎるんですけど?
コテンと可愛らしく首を傾げても・・・可愛いんだけどもそうじゃなくて!
「私は1人暮らしだからそんなに荷物はいらないのよ?
アルテイシアさんも見たよね?
この屋敷より小さい家なんだから置き場も困るのよ?
それに・・・ドレスもいらないから・・・。」
そう、アルテシアさんはきらびやかなドレスまで持って行かせようとしてる・・・
庭仕事や畑仕事にドレスは必要ないから・・・
胡服とか作務衣とかでいいから・・・無いだろうけど。
デールもどきやサリーもどきとかアオザイもどきとか。
動きやすくてシンプルなのがいいのよ、もうワンピースいやズボンでいいから!
うわぁ待って待ってそのセクシードレスはホントいらないからっ!
「アルテイシア、ロゼが困って居るよ。ロゼの希望を聞いてあげないと」
「だってバルド。ロゼったら生成りでいいとか言うのよ。
女の子なんだからもう少しお洒落も楽しむべきよぉ』
「生成りのほうがお洒落だったりもするのよ?
それにドレスとか着る機会もないし。
ディアを可愛くする方がいいと思うんだけどなぁ。」 チラッ
「わ、私はもう十分持ってるもの!クローゼットにももぅ入らないし!」
ディアはなんでこっちに振るのよと恨めしそうに私を見た。
察するにきっとこんな調子であれこれと用意されているんだろうな・・・。
ルシェとラファを見れば、振るなと言わんばかりにブンブン首を振っている。
これはテンション上がって衝動買いするパターンですね、アルテシアさん。
ここはバルドさんに頑張って阻止してもらうしかっ。
え? 無理? なんで?! えぇぇ・・・
結局収拾がつかなくなるからと、トマスさんが止めてくれて
マリーさんを始めとするメイドさん達が
私の希望を聞いて荷物を揃えてくれる事になった。お手間かけます。
お陰で荷物は最小限で収まりそうだ、さすがわメイドさん。凄いね。
その荷物の中に
ディアとお揃いのテディベアがコッソリ入っていたのに後日気付く事になる。
読んで下さりありがとうございます。




