主ニブちん
翌日 私はルシェと町に来ている。
ラファはバルドさんと剣術の稽古。ディアはアルテイシアさんと刺繍。
丁度手が空いていたのがルシェだったのよね。
まずは塗料を探すことにした。
アクリル絵の具やペンキなんてないだろうからその代用品をと思ったのだけど
これがまた見事に 無い!
でも赤い屋根とか青い屋根とかピンクの壁とか・・・
ピンクの壁?! 斬新ね・・・
あるって事は塗料もあるのかと思ったんだけどなぁ。
「ロゼ、こっちに」
そう呼ばれて案内されたのは・・・
普通の雑貨屋さんみたいだけど?
「ここは魔道具も扱う店だ。ここならロゼが求める物があるかもしれない」
ランタンやランプ 火点けの棒 水を綺麗にする石
絶対に焦げない薄平鍋 ってこれフライパン?!
絶対に焦げない・・・これ欲しい!
濡れても滲まないインク これだ! 色も数種類あるし!
とは言え虎徹だと黒と水色でいいんだけど折角だし他の色も買っておこうかな。
他にも用途不明な踊る案山子とか ドリームキャッチャーみたいなのとか
ずっと見てても飽きないお店だった。
魔道具じゃなくても普通の雑貨を見ていても楽しい。
このドアベル小鳥が乗ってて可愛いな。
このドアストッパーも猫になってて可愛い。あ、こっちにも猫グッズが!
「ロゼ、また後日来ればいい。今日は目的の物を・・・」
ハッ そうだった・・・。
取り敢えず5色のインクと焦げない薄平鍋を購入し店を後にした。
随分と雑貨屋で時間を潰したみたいですでにランチタイムになってたよ。
ルシェがお勧めの店に案内してくれた。
見た目は定食屋、なのにメニューは軽食とスィーツ!
だけど残念な事に 名前をみてもさっぱり想像が付かない。
当然メニューに写真が載ってる訳もないので・・・
ルシェに丸投げ・・・ゲフンゲフン お任せした。
ん? 観光客が国外の人なら私と同じように
どんな料理なのか名前だけじゃ解らないよね?
料理名が各国共通じゃないならだけど。
だったら簡単な挿絵でもあれば解りやすいよね。
絵が上手な人もいるだろうし。夕食後にでも提案してみよう。
なんて考えてたら 注文した物が運ばれてきた。
これは・・・ ガレット? クレープ? そんな感じのものだった。
ラシェはハムや野菜、チーズが乗ったいわゆるおかずクレープ。
私のはフルーツとクリームのデザートクレープ。
うん、凄く美味しい。
一緒に頼まれてた柑橘系のジュースもさっぱりと美味しい!
「ルシェ いいお店知ってるのね。連れてきてくれてありがとう」
「気に入ってくれたならよかった」
そう言って笑うルシェはやっぱりイケメンだった。うん、かっこいいよね。
午後からものんびりとお店を見て回るはずだったのに
食器類を扱うお店で私のテンションが上がってしまい
気が付けば夕方になってしまっていた。あらら・・・夢中になり過ぎたぁ。
「また来ればいい。次のランチは違う店に連れて行ってやる」
「うん、そうだね。また来ればいいよね!ありがとう」
そうして帰路につき、帰宅早々アルテイシアさんの爆弾発言が落とされた。
「お帰りなさい、デートはどうだった?」
へ?! デート?? ただの買い物でしょ?
『 主 残念な子 男女で買い物 これデート 』
え?虎徹?!
『 主やっぱりニブちん。 ルシェに失礼だニャ 』
えぇぇぇ?!
「俺は楽しかった。ロゼは楽しめたか?」
ちょ。ルシェ何もツッコミ無し? 嘘?! これってデートだったの?!
えぇぇぇ・・・うそーん・・・ 先に言ってよぉ・・・
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