ガーン!
「まさか精霊王様にお目にかかる事が出来るとは」
バルドさんは落ち着きを取り戻し、ちょっと感動しているようだった。
精霊王さ『ディーヴァと呼べ』ま・・・
ディーヴァさ『ディーヴァと』ん・・・ もぉ!
ディーヴァはしれっとトマスさんにお茶を入れてもらっていた。
ディーヴァとトマスさん。視線だけでやり取りが成立するって凄いな。
『 トマスは優秀な執事なのであろう 』
確かにあのバルドさんのお世話をしているんだもの優秀なんだろうなぁ。
ディーヴァがトマスさんは優秀な執事だと褒めている事を伝える。
何故にバルドさんがドヤ顔になるのか・・・
はにかんだトマスさんはディーヴァの前にそっとクッキーを置いた。
何処から出て来たのそのクッキー。
ハッ・・・
話を戻さなきゃ。
「森の管理とは 何をすればよいのでしょうか?」
間伐しろとかは私無理よ?
「何も難しい事は無いんだよ。
森を散策しながら異変がないか確認してくれればいいんだ」
「先日行った泉とか森を流れる川とか水位の変化が無いかとか」
なるほど、それなら私にも出来そうだけど私じゃなくても出来そうよね?
「精霊の森だからね。代々管理を受け継ぐ我がトレバー家の者
それに愛し子であるロゼしか入れないんだよ」
『 主 また忘れてる 』
『 前に教えて貰ったニャ 』
うぐぅ・・・ ちょっと度忘れしただけだもんっ。
「森の広さはどのくらいあるんでしょうか?」
気になったので聞いてみたのだけど、バルドさんの眉が下がってる。
もしかして広大なのかな?
「ロゼ・・・話し方が戻ってる・・・」
え?・・・ あ!敬語に戻ってるって事?
ディーヴァが居るからかな、無意識に敬語になってたみたい。
「森の広さはどれくらいあるのかな?バルドさん」
嬉しそうに頷きながらバルドさんは地図を持って来て広げた。
「この山麓から此処まででそうだな、徒歩で2時間くらいか?
ロゼ、毎日散策する必要はないんだ。
季節の変わり目や荒天の後や気が向いた時。何度かに別けてでいいんだよ。」
「よかった。1日で全部回るのかと」(苦笑)
「さすがにそれは私も無理だな」
『 水辺であればマルスやヴィーにやらせればよかろう 』
『 任せて! 』
『 て! 』
短い手で敬礼する姿が可愛い。
そうだね、皆にも手伝って貰えば。 うん、大丈夫そう。
バルドさんに提示された給金は・・・
元の世界での私の給料よりも多かった。
貰いすぎだと言ったんだけどこのくらいが妥当だと言われた。
トマスさんにも 頂いておけばよろしいのですよ と言われた。
アルテイシアさんもうんうんと頷いているし、有難く頂く事にした。
これで収入源は安心できるから 次は家の場所だね。
『 泉の横でよかろう 』
地図を指差すディーヴァの一言で場所も決まっちゃったよ。
「なるほど。精霊王様は泉の横がよいと」
「そこなら私達も行きやすくてよいわね」
「私毎日でもロゼ姉様に会いに行くわ!」
「僕も!」
うんうんと頷くルシェも無言だけど来る気満々なのよね?でもね
「皆仕事や勉強があるよね? 毎日は駄目だよ?」
「「「「「 !!! 」」」」」
え? 一家揃ってその ガーン! 見たいな顔止めて?
手の平ーズまで ガーンてポーズしないの!
『 毎日は・・・駄目なのか・・・ 』
ちょ!ディーヴァまで?! ホント止めて! 私が悪いみたいじゃない!
読んで下さりありがとうございます。