まず1歩
すっかり定着しつつあるこのベットの構図。
私の腕に頭を乗せて眠る虎徹
私の胸元に乗っかって眠る翡翠
私の足元にうずくまって眠るミニ牛 もといナディ
私の頭の左右で丸まって眠る手の平ーズ
寝返りが打てないんだけど?・・・
ついでに言えば
まずディアが自分も一緒に眠りたいとテディベアを抱えてやって来て
次にラファがそれじゃぁ僕もと枕を抱えてやって来て
ルシェまでちゃっかり枕を抱えてやって来て
それを見たアルテイシアさんがたまには皆で寝るのもいいわねぇとやって来て
1人だけ自室で寝るのは嫌だとバルドさんまでやってくる始末。
どう考えてもベットじゃ無理よね?どうするのと思ったら
マリーさんを筆頭にメイドさんズがテキパキとラグやマットレスを運び込み
寝る場所を作り上げてちゃったじゃない・・・。
何してくれてるのよ、私はゆっくり1人で眠りたいのよ。
と思っても言える訳もなく・・・。
たまにならまぁいいか と思った数日前の自分に言ってやりたい。
何事も最初が肝心、時には心を鬼にして断るのよ! と。
毎日毎夜 お貴族様、いや王家の方々が雑魚寝でいいんだろうか?
そしてトマスさん、何故これは寛容に対応するかな。
そんな事もあり 早く一人暮らしがしたいなぁと思った。
確かにね?こうやって打ち解けて仲良くなっていくのはありがたいし嬉しい。
本当に凄く嬉しい。 でもさぁ1人の時間も大事よね?
そんな思いもあり私はそろそろ住む場所を大まかにでも探そうと思うのだった。
それにはまず収入源よね。私に出来る仕事があるだろうか。
この日の夕食後 私は皆に相談をする事にした。
「皆さんに相談があるのですが」
皆の視線が集まる。 なんだか言い出しにくい・・・。
「あのですね・・・。
一人暮らしを考えていると以前お話したと思うのですけど。
それに伴って仕事を探そうかなと思いまして」
「ああ、その事なんだがね。
丁度私からも話があったんだよ」
おや? 何だろう。 バルドさんの次の言葉を待つ。
「ほら以前ロゼが作ってくれたバーブソルト。
あれをね。うちの特産品として観光地で売り出したいと考えていてね。
乳製品だけでなく、目新しい物があればと思っていたんだよ。
ロゼの許可が貰えればなんだけど、どうだろうか」
あー・・・。庭の手入れで間引いたハーブがもったいなくて作ったアレかぁ。
誰にでも作れそうなんだけど特産品になるのかなぁ。
「この国でしか育たないハーブもあるし特許登録済みだからね。
5年間はロゼの許可なく他国では作れないよ。ふふふ」
特許・・・そんな大げさな・・・。
と思ったけど、配合割合とか使うハーブの種類とか考えないとだし。
粗悪な贋作とかぼったくり品とか出ても嫌だしね?
そうゆう面も考えて特許を取ったのだろうか、さすがバルドさん。
でも私の許可ってそれ必要? 要らない気が・・・
「ロゼが発案者だからね。そこはしっかりロゼの名前にしておかないと
自分が発案したとか言い出す愚か者がいたりするんだよ。
もっともこの国にはそんな愚か者居ないけどね」 ニコッ
あー、権利や利益の横取り・・・。そうゆうのも防ぐためなら仕方ないかぁ。
「それにね、特産品となれば生産者が必要になり雇用が生まれる。
若者に仕事の選択肢が1つ増える事にもなるんだ。」
選択肢が広がるのはいい事よね、うんうん。
「観光地限定で販売する事になるんですよね?」
「そうだね。南の港町と中央の首都。
この2つが観光地になってるんだ。」
なるほど、だったら港町は魚料理が多いだろう。
首都だと近くに牧場が多いから肉料理が多いだろうか。
「でしたら・・・港町では魚料理に合うハーブソルトを。
首都では肉料理に合うハーブソルトを
と言った感じで別けてみたらどうでしょう?」
「ん? ハーブソルトにも種類が・・・ああそうか。
組み合わせるハーブによって使い分けるんだね?さすがロゼだね。
着目点が違うから勉強になるよ」
いえいえ、私と言うよりはあっちの世界の知識ですので・・・。
こんな感じで話は進み・・・
権利料?みたいな感じで純利益の1割が私に入って来る事になった。
バルドさんは最初半分と言ってたけどそれは多すぎでしょ。
1割だと少なすぎると言ってたけど、条件を付けさせてもらった。
・味を知って貰う為にバーブソルトを使用した飲食店の一角で販売する事
・湿気対策の為少量(50gと100g程度)で販売する事
・取扱事項として直射日光を避ける事
これは商品にも周囲が気メモを貼る事にした
・販売価格は統一する事
・生産者の手洗いうがい、マスク着用は徹底する事
マスクは似たようなのが存在してたのよ
手洗いうがいは他の食品生産者にも浸透させるとバルドさんは言っていた。
クリーン魔法があるからつい忘れがちなんだって。なるほどねぇ。
読んで下さりありがとうございます。