ハイディアと言う少女
私はハイディア・レトリー。レトリー家の末っ子で14歳。
ラファイエ兄様とは双子なの。
昨夜兄様たちは無事に愛し子様を召喚出来たようでよかったわ。
でもね、私の目の前に居るこの見知らぬ大型犬と猫はいったい・・・
それにこの口に咥えているのは何かしら。
レースが使われているしハンカチーフかしらね?
どこから咥えてきたのかしら? と手にしようとしたら、あらぁ?
「 見慣れぬハンカチーフだな。 」
ルーシエ兄様が拾い上げてしまい そのまま動かなくなってしまったのよ。
「兄様?」
左手で口元を押え 右手にはハンカチー・・・
ふぇっ・・・ハンカチーフじゃない! それって・・・
やだ兄様それ手放しなさいよっ。握りしめないで!
ゴンッ
お母様が鉄拳を落とした後に素早くソレを回収していたのよ。
さすがお母様。咄嗟の判断が出来るよう私も見習わなければね。
お母様はメイドにソレを手渡し 丁寧に洗濯しておくようにと指示を出した。
男性陣の目に直接触れぬ様に何かで包むようにとも仰っていた。
その気遣いも さすがお母様。
愛し子様が目を覚ましたと報告を受けた私は
大型犬と猫を連れて部屋に向う事にした。ご挨拶しておかないとね。
扉を開けようとした時
『 虎徹ぅぅぅぅぅ!! 』
と叫び声が聞こえ 大型犬が走って飛び込む。
『 ぅわんっ!! 』
あらアナタ虎徹と言う名前だったのねぇ。
私の姿を確認したお母様が兄様達を連れてそっと退室していった。
そうよね、あまり大勢で訪れていてもねぇ。
見た感じ年齢は私達と同じくらいかしら。お人形さんみたいに綺麗な子。
お茶の準備を整えて彼女をソファに促し 会話をしてみる。
忘れない内に、と言うよりも男性陣が居ない内にそっと例の包みを差し出した。
状況を説明すると彼女はすぐに察したらしくて
でもお兄様が拾い上げた事は伝えなくて良かったのかも・・・。
盛大に咽てしまったわね、ごめんなさい。
その後なにやら虎徹と会話をして再び咽てしまっていたけど大丈夫かしら。
名前を思い出せなくてお母様からロゼと名付けて貰った事
28歳だと言うけどどうみても17か18にしか見えない事
猫の名前は翡翠だと言う事
もっと話していたかったけど家庭教師が来る頃合いだったのよね、残念。
読んで下さりありがとうございます