あざとい手の平ーズ
あ”ー・・・ 首が痛い。完全に寝違えたよね。
洗顔するのも一苦労だよ・・・
取り敢えず朝一で精霊ズにはお説教をしておいた。
いい? いくら精霊でもね コッソリとベットで寝るのは駄目だと思うの。
君達がぐっすり寝てるもんだから
私の寝る場所が無くて変な恰好になって 首寝違えちゃったじゃない。
そもそも君達は各自住処があるでしょう?
ちゃんとそこで寝なさいよ
『 ナディ いい?って聞いた 』
誰に? 誰が許可したのよ。
精霊ズと翡翠の視線が虎徹に集まった。なるほど、犯人はお前か虎徹。
『 僕はナディがおいでって・・・ 』
『 おいでって・・・ 』
『 ナディ ベットだけ おいでした おうちはしてない 』
いやベットに誘っただけでもだめでしょ・・・
『 あの・・・
僕達も名前が欲しくて・・・。
虎徹がコッソリついてくればって・・・。
ごめんなさい・・・。 』
『 ごめしゃい・・・ 』
なるほど、やっぱりお前が元凶か虎徹よ・・・。
虎徹はコテンとお腹を見せて降参のポ-ズをしている。
くっ・・・可愛いけどもっ この確信犯めっ。
手の平ーズと小振り牛も頭をスリスリと寄せてくる。
くっ・・・あざと可愛い・・・。
結果 毎日でなければOKと私が負けたのであった。
ちなみに手の平ーズの名前はラッコとカワウソの外国名からとって
ラッコがマルス カワウソはヴィー と名付けた。
「おはようロゼ。 って疲れた顔してるね。大丈夫?」
「おはようラファ。ちょっと寝違えてね?」
ダイニングに向かう途中でラファに会い、そう言われた。
まさか精霊ズ&わんにゃんにベット占領されてあらぬ格好で寝た結果とか言えない。
「で。その肩に乗ってる小さいのは?」
そう。ちゃっかりと肩に乗ってついて来ちゃったのよね。
「昨日精霊の森で遭遇した精霊の兄弟だよ。
なんかついて来ちゃったから皆にも紹介しておこうと思って」
「へぇ。可愛いな。宜しくね」
差し出されたラファの指にスリスリする手の平ーズ。
これ絶対解ってやってるでしょ。 やっぱりあざとい・・・。
ダイニングでもやっぱり皆に小首かしげてきゅるるんな瞳で愛嬌を振りまき
「なんと愛くるしい精霊様でございましょう」
と、トマスさんまで篭絡させていた・・・。
トマスさん アナタだけでもキリッとしてて欲しかったよ。
「短期間でこんなに精霊に会えるとは。」
「えぇ、やっぱりロザのお陰かしらねぇ」
普段頻繁に精霊を見かける事はないみたいで 精々月に1回くらいらしい。
実感はないけど 愛し子効果とやらがあるのなら
私の存在意義があった気がして安心した。 よかったよ。
手の平ーズはひとしきりスリスリした後に満足して帰って行った。
ナディは・・・お説教の後そそくさと帰って行ってた(苦笑)
本当なら今日は庭師さんと庭の手入れをしたかったのだけど
さすがに寝違えた首だと無理なので大人しく図書室に向かう事にした。
いくつかある植物図鑑のうち ハーブの図鑑を読むつもり。
こちらの世界ではハーブ=薬草なのでちゃんと効能を確認しておきたかった。
私が知ってるハーブと同一なのかも確認しておきたかったしね。
読んで下さりありがとうございます。