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ラッコジャンプ

『 いいかい? 食べ物は水の中に入れちゃ駄目なんだ。

  デロデロになっちゃうだろ! 』


デロデロに・・・


いや怒るとこそこ?


そうじゃないよね、ひとさまの物勝手に取っちゃ駄目!て怒らないとじゃない?



「あれは何だ? この小さいヤツの仲間か?」


ルシェの呟きに ハッ としたラッコは慌てて四つ足状態になり首を傾げた。


キュッ♡


あざといポーズで可愛く鳴いてもね? 今更って感じよね。


誤魔化されないわよっ!


「可愛いな・・・」


あ、誤魔化された人いたわぁ。


「ラッコが何故泉に? てかサイズ感おかしいよね。小さいよね。」


『む、これだと小さいのか。』


さっきからラッコの言ってることが聞こえてるよね。つまり・・・


「精霊か妖精って事でいいのかな?」


ラッコは深々と頭を下げて


『 弟が失礼しました。

  僕達はこの泉に住まう精霊です。 』


やっぱり精霊だった。 でもなんでラッコとカワウソの姿?


『 愛し子が親しみやすいようにと

  精霊王様が異世界の【もふもふ図鑑】なる物を見せて下さいまして。』


( びちびちびちっ むにゅんむにゅん )


水辺のもふもふってページに乗っていたラッコとカワウソにしたと。


( ぐいぐいっ  むにゅぅーっ)


でもサイズ感が解らなくて 手の平サイズになってみたと。


( じたばたしたばたっ )


そりゃまぁ巨大ラッコとかちょっと怖いから小さい方がよかったけども。


ってさっきからカワウソは何してるの!


『 降りるでしゅ 』ペシペシッ


「ん?ああ、降りたいのか。すまん。ほら」


ルシェが手を放すとカワウソはテシテシと毛繕いを始めた。


マイペースだね君。


しかしどうしよう。私は我慢出来るとしてルシェは絶対足りないよね。


『 お任せ下さい! お詫びに魚を獲ってきます! 』


『 ・・・  きましゅ! 』


手の平サイズのラッコとカワウソが敬礼ポースをした後泉に潜っていった。


可愛いんだけどあのサイズで捕まえられる魚のサイズって・・・


「泉に帰ったのか?」


あ、そうだ。説明しなきゃ。


「あの2匹?も精霊で サンドウィッチのお詫びに魚を獲ってくるって」


「ふむ・・・。あの小ささで魚を・・・。

 火でも起こしておくか」


同じ事を想像したんだと思う。メダカとか(ハヤ)サイズだったらどうしよう。


ルシェはキャンプで使う様な小型のBBQグリルっぽい物を取り出した。


何処から出て来た・・・


「このバスケットはマジックバック仕様になっているからな」


マジックバック・・・見た目よりもアレコレ入る()()ですかね。


それも一人暮らしを始めたら欲しいなぁ。絶対あると便利よね。


グルルも魔道具で、ルシェが魔職を流すとあら不思議。


丁度いい火加減にこなれた炭火が現れた。


凄い、魔法みたい。 うん魔法だったよ魔道具だったよ。てへっ


『 主 てへっ 似合わない 』


五月蝿い虎徹。


『 てへっ 』


う・・・確かに虎徹がやると可愛い。可愛いけども!


そうこうしてると ラッコとカワウソの兄弟が魚を抱えて戻って来た。


魚の大きさとラッコの大きさが変わらないような?


カワウソなんかは魚の方が大きいような?


『 ささ、どうぞっ! 召し上がってくださいませ~! 』


『 くだしゃいまちぇ! 』


その後2匹は何往復かし、虎徹の分とお土産用まで獲って来てくれたのだった。


「次に来る時はコイツらの分も用意してくるか」


そうだね。今度は取られないように予め用意しておくといいかも。


のんびりと泉を眺めてたら 水面をピョンと ・・・


イルカみたいにピョンとジャンプしたよラッコが。


ラッコてジャンプ出来たっけ?


『 僕もやる! 』


待て待て虎徹 あんたは無理でしょぉぉぉぉ。


じゃぶんっ! バシャバシャ・・・バシャ ぶくっ ぶくぶくぶく・・・・


そう虎徹は犬のくせにカナヅチ・・・


「虎徹!」


私よりも先にルシェが泉に飛び込んで虎徹を救出してくれた。


カッコイイと見惚れた事はそっと胸の内に仕舞っておこう。


「ルシェ 大丈夫? 早く乾かさないと」


「大丈夫だ」


さっと自分と虎徹にクリーンを掛けて身綺麗に。


いいなぁ。私もクリーンくらいは使ってみたい。無理だったけど。

虎徹 「主 試したの?」

ロゼ 「うん、1回だけね。出来なかったけど」

ルシェ 「もしかしてあの時の・・・」

ロゼ 「ルシェ・・・忘れようか」

虎徹 「主 変なポージングしてた」

「「 ぶふっ 」」



読んで下さりありがとうございます。

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