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手の平サイズ

天国への階段 って言うんだっけ?


木漏れ日が泉を照らし出していて 神秘的な風景を作り出している。


その泉を取り囲むようにラベンダーが咲き乱れていて青紫の絨毯みたい。


「花が咲いてない場所があるだろ? あそこで食べよう」


ルシェが指示した場所は確かにラベンダーは咲いていなかった。


その場所へ移動すれば2人が座れるくらいのラグを広げてくれた。


虎徹が運んでくれたバスケットにはサンドウィッチと飲み物が入っていた。


ハム・チーズ・トマトにレタス。ミックスサンドって感じかな。


虎徹用の蒸したお肉まで入ってた。よかったね虎徹。


『 料理長 仲良し! 』フンス!


いつの間に仲良くなったの虎徹さん。 ドヤ顔しなくてもいいから。


では・・・いただきまーすっ!


素敵な風景はサンドウィッチをより一層美味しく感じさせる。


いや室内で食べても美味しいんだけどね?


外で食べると、特にこの風景だと湖の水面(みなも)とかさ。


そよぐ風にほんのり香るラベンダーとかさ。格別に感じてしまうのよね。


「旨いな。 たまにはこうやって外で食べるのもいいかもしれんな」


「うんうん。時々こうやって外で食べたいね」


「ああ、また来よう」


『 僕も! 僕も来る! 』


残っているもう1つのサンドウィッチを食べようと


バスケットに手を伸ばせば・・・


ない! 残ってるハズのサンドウィッチがない!


え? ルシェ食べちゃった? とルシェの顔を見れば


ブンブンと顔を横に振っている。


「俺の分も消えてる・・・」


えぇ? じゃぁ虎徹? 虎徹食べちゃったの?


虎徹をみれば虎徹もショボンとしている。あれ?


『 お肉 半分消えた 』しょぼーんっ


どこいった? 足が生えた訳じゃあるまいし・・・ 



うん、生えてたわ・・・


サンドウィッチから足が生えてるわー!歩いてるわサンドウィッチ。


って、んな訳あるかーいっ!


「ルシェ 私寝ぼけてるのかな? 

 サンドウィッチが歩いてるように見えるんだけど」


「大丈夫だ。 俺にもそう見えている」


寝ぼけている訳じゃなかったらしい。 うん知ってた。


いくら異世界でもさすがにサンドウィッチが歩く訳ないよね。


じゃぁどうなってるのよと近づき覗き込めば・・・


手の平サイズのカワウソがほぼ自分と同サイズのサンドウィッチを抱え


よちよちと運んでいた。 ヨタッとよろけそうになってるし。


みょーんっ


ルシェが首根っこを掴んで持ち上げる。


カワウソは驚いてサンドウィッチを落としそうになったので キャッチ。


虎徹の口がだけど。


虎徹を見れば やっぱりしれーと目を反らす。


でも私とルシェ2人文のサンドウィッチ(半分だけど)と虎徹の蒸し肉半分。


それをこの子が全部食べたとは思えないんだよね。


他にも誰かいるのかな。


カワウソはルシェの手の中で暴れている。 


ビチビチと魚みたいだなんて言えない。なんとなくだけど・・・


と、カワウソが暴れるのを止めて小刻みに震え頭を抱えた。


ん? どうしたんだろう。


『 この悪戯坊主!! 駄目だと言っただろう! 』


ビクッと体が・・・いやお尻が3cmくらい浮いた気がする。


声の主は ででんっ と泉の傍で腕組みして仁王立ちになってるラッコだった。


ただし手の平サイズ・・・

読んで下さりありがとうございます。

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