山羊? 牛?
結局この子の名前を聞きだす前に町に到着してしまった。
入り口の停車場で馬車と馬を預けて中を散策する。
町は思ったよりも賑わっていて、どこか懐かしさが漂う感じだった。
木造の小振りな家が幾つも並んでいて、軒先には看板がぶら下がっている。
靴 洋服 小物・アクセサリー 鞄 魔道具 精肉 食料品 などなど
昔の商店街みたい。
あそこはパン屋さんかな、焼き立てのいい匂いがする。
物価は・・・ えーっと
丸パン1つが銅貨1枚だから・・・100円くらいらしい。
コンビニのパンも130円とかだから 物価も似たような感じかも。
ん? 野菜類は1盛り銅貨1枚 安くない?!
あー、農業も盛んだからかな? お手頃価格なら助かるね。
「小さな家庭菜園ならどこの家にもあるからね。
もっとも人によって育てる物が違うし、芋類なんかは農家じゃないとね」
確かに、芋は庭の片隅でって訳にはいかないかも。
私としては玉葱とか葉物野菜が苦手だけれど・・・
屋台なんかもあるみたい。
串焼きみたいなのやジュース、お菓子?など売ってるみたい。
あ、籠を咥えた山羊が歩いている、おつかいかな?
え?・・・山羊?! 籠加えた山羊?! 犬じゃなくて?!
「ああ、あの山羊はアルパインと言ってね。
人慣れしやすく賢いからペットとして買う人も多いんだ」
「そうなんですね。」
いいなぁ、1人暮らししたら飼いたいかも。
一通り散策した後公園で休憩をする事になった。
ルーシエくんが屋台で買ってきた飲み物を手渡してくれる。
「ありがとう」
これは林檎ジュースかな? 甘酸っぱくてサッパリしていて美味しい。
休憩を終えれば 次は牧場に向けて移動だ。
ぱかぽこ ぱかぽこ
「ほらロゼ。 見えて来た。あれが我が家の牧場だよ。」
おおぅ 結構広い。 そしてあれは・・・牛??
白 こげ茶 黒 マーブル 色んな色の長い毛に覆われた・・・牛よね?
「ハイランドと言う品種でね。毛が長いのが特徴だよ。
ロゼは初めて見るのかな?」
もしかしたら国外にはいたのかもしれないけど。
「はい、初めて見ますね。
あ、あっちに居るジャージー種っぽいのは見た事あります!」
「そうか、ジャージーは君の世界にも居たんだね。
どの子も可愛いだろう?
飼育期間中は愛情を注いで育てているからね」
ハイランド種・・・どんな触り心地なんだろう。
子牛とか居るかな。
はっ・・・
わくわくしてる間に到着してたみたい。気が付かなかった・・・
もぉ皆笑ってないで教えてくれてもいいじゃないよ。
読んで下さりありがとうございます。