学習しない男達
翌日 アルテイシアさんは元気な女の子を産んだ。
皆の心配をよそに、すこぶる安産だったのよねこれが。
私はと言うと産後で疲れているだろうアルテシアさんのお世話と
赤ちゃんのお世話をする為に屋敷に来ている。
ハイディアも今はバルドさんの両親、祖父母の元へ行ってるし
なによりも男性陣に任せておけないからね。
赤ちゃんはアルテシアさんやハイデアを小さくした感じでそっくり。
スヤスヤ眠る姿はそりゃもそ可愛くて天使か妖精よ!
見ているとニマニマが止まらないわよっ。うふふっ 可愛いなぁ。
今アルテイシアさんには別室でゆっくり休んで貰っている。
産後は体力使い果たして疲れ切ってるって言うもの。
赤ちゃんも今はお腹いっぱいで寝てるしゆっくり休んで欲しいと思う。
ばぁーんっ!
「私の可愛い小さな天使はどこだぁーい!」
・・・
「お父さん?・・・」 ピキッ
「す・・・すまない・・・」
赤ちゃんは・・・よしよし起きてないね。
「起こさないように静かに見てね?」
「ああ わかった」
そうそう、静かにそ~っとね?
タタタタッ バンッ!
「 何処だ! 妹は! 」
・・・・・
「ルシェ?・・・」 ピキピキッ
「あ、いやその・・・すまない」
ふぁ・・・
あぁぁ、起きちゃう。だいじょうぶでちゅよ~。ねんねしましょうねぇ。
トントンと優しくお腹を叩けば そのまま寝て・・・
『 なんともこれは愛くるしい! 』
『 なんと小さき手か。おぉ握ったぞ 』
・・・・・・・・
ディーヴァ?クレハ?
あのね?寝てるのよ。触らない起こさないつつかない!!
ふぇぇ・・ぇぇ・・・ぁぅぁぅ・・・
あぁぁ、起きちゃったじゃないよぉ・・・
そっと赤ん坊を抱きあげてあやしながら4人を見る。
「よぉーしよし。大丈夫よぉ。
駄目なお兄ちゃんとおじちゃん達でしゅねぇ」
お尻をポンポンとしながらゆっくりと揺らしてあやす。
赤ちゃんがうつらうつらとし始めたのでそっとベットに・・・
バタンッ!
「生まれたって?! 僕の妹小さな天使ちゃんは何処かな?!」
「ラファ?・・・」
「あ、ただいま?」
「おかえり、ってそうじゃないのよ! 今寝かしつけたばっかりなのに」
ふぇ・・・ふんぎゃぁぁぁぁっ あぅっあうっ ぅああーんっあーんっ
あぁぁ・・・完全に起きちゃったじゃない・・・
「『『 ・・・・・ 』』」
「あれ?僕タイミング悪かった?・・・」
ピキピキと自分のこめかみが脈打つのが解った気がする。
「あのね・・・皆ね・・・ 出て行ってくれるかな? ん?」
と扉を指差せば、ゾロゾロと静かに出て行った。
まったくなんなの!
ごめんねぇ五月蝿かったでちゅねぇ、今度こそゆっくりねんねしましょうねぇ。
ぽんっ ぽんっ
あぅぅ・・・あぃあぃあ・・・ すぴぃ・・・
眠ったのを確認してベットに降ろそうとすると廊下が何やら騒がしい。
嫌な予感しかしない・・・
男性陣が小声で何かを言っている、もぉ話すなら遠くにしてよね。
「スィートハニーベアはどこかしらぁ?
おねぇちゃまでしゅよぉ~」
・・・・
ディア、貴方までなの?・・・勘弁してよね。
随分と帰りが早かったわね・・・
ふぎゃぁぁぁぁぁぁ ぅあぁぁぁんっ あぁーんっ
「あ・・・あらぁ?ごめんなさい?」
ちょっと勘弁してよぉ・・・。
お説教しようとしたら背中から寒気がした。な・・・なに?
ヒッ・・・
ズモモモモッと背景効果が描かれてそうなアルテシアさんが
ディアの後ろに立っていたの・・・怖い、凄く怖いんだけどっ!
「さっきから貴方達、いいかげんにしてちょうだい!
ゆっくり寝てられないじゃないの。
ちょっとこっちでお話でもしましょうか?いらっしゃい!!』青筋
目が笑ってない美人の笑顔って怖いわぁ・・・
「ごめんなさいねぇロゼ。
もう少しこのまま赤ちゃんをお願い出来るかしらぁ?』ニッコリ
私はコクコクと頷くしか出来なかったわよ。
恨めしそうにみないでよルシェ・・・自分のせいでしょ~。
ズリズリと引きずられている音を聞きながら私は再び赤ん坊を寝かしつける。
この先 アルテシアさんの苦労は続きそう・・・大変だなぁ。
私はまだ子供とか居なくていいかなと思いながらポンポンしていると
いつのまにか一緒に眠ってしまったようだった・・・。
すやぁ~
読んで下さりありがとうございます。