生まれた
ウロウロ ウロウロウロ
「お父さん少し落ち着けば?」
「だがなロゼ・・・」
バルドさんはさっきからウロウロソワソワ落ち着きがない。
「ほら、お茶でも飲んで?」
「ああ・・・」
『『 生まれたぞ!! 』』
ぐぇっ・・ゴホッ
ちょ・・・もう少し静かに・・・バルドさんむせちゃったじゃないよ。
「ど・・・・どどどど、どっちだ?」
『 どっちもだ 』
『 可愛い3つ子だ 』
「3つ子!!!」
慌てて走り出すバルドさん。
そんなに慌てるとこけ・・・ ドテッ ほらこけた・・・
ピィー ピィー ピャー
そう、生まれたのは翡翠の子。
来なくてもいいのにバルドさんたら
「翡翠の子なら私の孫みたいなものだろう?」
と駆けつけちゃったのよ、仕事全部ルシェに押し付けて。
「ロゼ!ロゼ! 見てごらん可愛いなぁ。フワフワの毛玉みたいだな」
うんうん、知ってる。翡翠も保護した時はこんな感じだったし。
「ロゼ!凄いな。こんなに小さいのに欠伸をしたぞ」
まぁそりゃするよね。本能的な行動だもの。
それよりも見るなら静かにしてないと・・・
「おぉ、ロゼほら・・・」
ヴヴヴ・・・シャァーーーー!!
ほら怒られた。
「すまん翡翠・・・」ショボン
『 これが生命誕生の神秘か?素晴らしいな 』
『 ああ、素晴らしいな。 ん?兄上その手はなんだ? 』
『 このように小さく愛らしいのだ。加護を与えようかと 』
「『 いやいやいやいや、待て待て 』」
「ディーヴァ、気持ちは嬉しいけどにぽいぽい加護の安売りしないで。
加護なんて貰っちゃったらこの子達皆精霊獣になりそうじゃない?」
『 駄目か? 』
「精霊獣が増えたらバランスおかしくなるしね?」
『 しかしこのように小さくては心配ではないか 』
「赤ちゃんなんだから小さくて当たり前よ?
翡翠だってついてるし虎徹だってお手伝いしてるし。
私達は見守っていればいいんだよ?」
『 そ・・・そうか。
だがあのように可愛らしいのだ。何かしてやりたいではないか 』
『 じゃぁ手伝って貰うニャ。 ちょっと疲れたから眠りたいニャ 』
『 後は宜しく?・・お、おぅ任された 』
『 待て翡翠。後は宜しくと言われても。何をすればよいのだ 』
『 主に聞くニャ おやすみニャ ぐぅ・・・ 』
『 ロゼに聞け?・・・だと?・・・』
『 ロゼ!ロゼ! 私は何をすればよい? 』
はぃはぃ、精霊王が子供の様に目キラキラさせないの。
ほらほらクレハも騒がないの、子猫が起きちゃうでしょ?
翁も静かにね? え?!子守歌?
いらないいらない、子猫に子守歌は要らないから!
まったく大騒ぎして・・・
ほらほら 子猫も寝てるから皆も落ち着いて見守って、ね?
ハァ もうすぐアルテシアさんも出産だけど大丈夫かしら?・・・