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不思議な翁

もうすぐ春も終わりそうな暖かさのこの日


私達は泉の近くでBBQを楽む事にして準備をしている。


すごいのよ、湖の周りが一面タンポポなのよ。黄色い絨毯が広がってるみたい。


冷静に考えるとさ、今はいいけどこれ全部綿毛になったら悲惨よね?・・・


『 大丈夫~ 風の精霊が遠くに運んでくれる~ 』


妖精の1人が教えてくれた。なるほど、それなら大丈夫そうだよね。


タンポポとかススキとかさ、綿毛が服に付くと取るのが大変なのよねぇ。


って、今はBBQを楽しもう。


今日は妖精達も通りすがりの精霊達も気軽に参加して貰ってるからね。


興味津々に皆がやりたいって言うから下準備も皆でやったのよ。


鉄串は無いから竹串で お肉や野菜を こうプスッとね?


翁は自分サイズの串をちゃんと用意してたし。


妖精達はワイワイキャッキャと楽しそうに枝を削って串を作ったり


『 僕も! 僕もやる! 』


うん、虎徹の手じゃ無理だね。


『 魚!魚がいいニャ 』


はいはい、ちゃんと用意してあるわよ。マルス達が持って来てくれた鮎が!


鮎が住んでるのこの泉?・・・鮎って川の流れの中じゃないの?・・・


まぁ・・・気にしたら負けよね。なんとなく・・・



「火の準備が出来た」


「ありがとうルシェ。じゃぁそろそろ焼き始めようか」


簡易的なBBQコンロをルシェが魔法で作ってくれたのよね。


網はどこからか持って来てたのよ、クレハが。


ソースは BBQソースにテリヤキソース、ヤンニョムソースに塩胡椒。


お好みで焼きながら塗ってもらう。


肉からでた余分な脂や肉汁がしたたり

ジュゥーと焼ければ香ばしい匂いが辺りに広がる。


翁のは小さいのですぐに焼ける。


そうやらヤンニョムソースが気に入ったみたい。


そんなに慌てて食べるとお口の中火傷しちゃうよ?


『はっ ぅふっ ふぅー ふほっ』


いつもはふぉっふぉっふぉって笑い声しか聞こえてこない翁の口から


変な声が漏れてくる。ちょっと新鮮(笑)


あ、ちょっと涙目になってるから火傷したのかも。大丈夫?翁。


熱かったんだろうな、手に持っていたグラスの中身を一気飲みしてた。


って、え?待って?


翁が持ってたグラスの中身って麦酒だったよね?


確かこっちの麦酒ってアルコール度数が高かったよね?


翁・・・お酒は強いのかな?・・・


え?翁?顔が真っ赤になってる!


『 フォー!! 』


どこぞのHGみたいな雄叫びを上げて・・・脱ぎ始めちゃった!


うわぁ!待って待って!脱がないで!脱ぐ必要なくない?!


・・・・   ぬはっ、褌・・・


のけぞっちゃったじゃないよ。ってこの世界にも褌ってあったのぉ?!


と何を思ったのか翁は 竹串を器用に組み上げてリンボーダンスを始めてしまった。


器用だね?翁凄いねリンボーダンスできちゃうんだ!


って、えぇぇぇ。こっちの世界にリンボーダンスってあるのぉ?!


クレハもディーヴァも何も言わないからあるのかな?


いや、あれは驚きすぎて唖然として声が出せないんだな・・・


次に翁は自分の腕と同じくらいの長さの串を二本とってその先に布を巻き付けた。


まさかとは思うけど・・・


ぶわっ くるんくるんっ


ファイダーダンス・・・。ねぇ待って?翁?


どこで習ったの?っていうか何で知ってるの?なんで出来ちゃうの?


その炎はどこから出たのとか色々と不思議すぎるんですけどぉー!!


ぶおっと口からアルコールを吹いて炎を巻き上げる。


おぉぉぉ、凄いね?かっこいいね?


って、そのアルコール何処から出て来たの?何処から持ってきたの?


ってかそんな技まで出来ちゃうのぉ?!えぇぇ・・・


もうどこから突っ込んでいいのか解らなくなって来た。


見た目はどう見ても純和風なのに! 


なんでリンボーダンスとかファイヤーダンスが出来ちゃうんだろう。


フッ・・・ ハハハ・・・


もぉね、考えるの止めよう。これ楽しんだ者勝ちな気がするよね。


もぉ何が起きても驚かないぞぉ~。


さすがにハカとか知らないだろうしもぅ大丈夫でしょ。


声に出てないはずなのに翁にニカッと凄くいい笑顔をされた。


まさか・・・ え? 嘘でしょぉ~?



Ka mate! Ka mate!Ka ora! Ka ora!


Tenei te tangata puhuruhuru!



ガタガタッと椅子から滑り落ちたわよっ!!


「ロゼ! 大丈夫か!」


「あ・・うん。ちょっと驚いただけ 」


「さっきから翁は何をやってるんだ?」


ですよねぇ、そりゃそう聞きたくもなりますよねぇ・・・


「あっちの世界で有名な リゾートダンスとか鼓舞?・・・」


「何故にそれを翁が知ってる?・・・」


「私にも解らない・・・」


翁この世界の精霊なのぉ?!なんでハカまで知ってるのよ出来てるのよ!


もしかして翡翠や虎徹みたいに巻き込まれてついて来ちゃったパターン?


いやそんな事はないよね。だってあの紅葉の古木の精霊よね?



『ふぉっふぉっふぉっふぉっ』



うわぁ凄いドヤ顔になってる!


うん確かに凄かったし格好良かったけどもぉー!


あ・・・れ?


なんでクレハとディーヴァが脱ぎ始めたの?


枝を手に持って?  布を巻いて?  火をつけて?


ちょ!2人もやるの?出来るの?出来ちゃうの?! 


って、いつのまにか2人も褌!何故に褌!その褌何処から出てきたの?!


えぇぇ・・・


待って待って待って待って?


解った!これ夢よね?夢オチってヤツよね? そっかそっか。 


・・・


・・・・


・・・・・・


って夢じゃないぃぃぃ!!


うん、もぉね。好きにして? 私はお肉食べてるよ・・・


あ、この肉美味しい~ モグモグ(現実逃避)




後日この事を聞きつけたバルドさんとラファに懇願され


翁によるファイアーダンス教室が開催されたのだった・・・ ハハハ

読んで下さりありがとうございます。

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