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そこは否定して?

しずかな冬の朝 のんびりと食後のコーヒーを飲んでいると


「この先もずっとロゼの作るスープを毎朝飲みたい」


ぐほっ・・・ゲホッ・・・


ルシェ? 唐突だね?


この世界ではどうなのか知らないけどさ・・・


それってある意味プロポーズになるんだけど?


君の作る味噌汁を毎日飲みたい みたいなさ・・・


「駄目だろうか・・・」


もしかして珍しくルシェと2人キリの朝食だったのは・・・


皆で示し合わせてたって事なの?!


いやでもまだお互いを知る事からで・・・


「冬の間 ロゼの近くで過ごしてお互いの事を知れたと思うのは俺だけだろうか」


確かに一緒に住んでみてルシェの事も少しづつ解って来たんだけど・・・


『 主 自分の気持ちに気付かない振りしてない? 』


『 恋する事から逃げてないかニャ? 』


それは・・・ 確かにルシェに魅かれてる気持ちはある、解ってるのよ。


でもね、心の奥にさ・・・ 28歳だった自分が居るのよね。


それがどうしても気になってしまって・・・


『 主 思い出してみて。 女の人が年上で結婚してる人もいたよ? 』


『 姐さん女房は金のわらじを履いてでも探せってことわざもあるニャ 』


翡翠どっからそんな言葉を・・・


でもねぇ・・・


「俺は気にしないが」


うわぁぁ もしかして・・・また丸聞こえ?・・・


「初めて虎徹や翡翠の声が聞こえた。不思議な感覚だった」


えぇぇ。どういうこと? って今このタイミングで?!


『 いい加減諦めて素直になってはいかがか 』


『 見ていてじれったい 』


ひぇっ いきなり現れないでよ! って姿消してたけど聞いてたの?!


『 では例えばルーシエがどこぞの令嬢と婚約して

  ロゼは平常心を保てるのか? 』


ルシェが他の人と婚約して・・・結婚して・・・子供が生まれて・・・


私は・・・笑って祝福してあげれるのだろうか。


ルシェの照れくさそうな笑顔が他の人に・・・ズキンと胸に痛みが走る。


ルシェが不安そうにこちらを見ている。


「俺はロゼの隣に俺以外の男が立つと考えたら・・・

 それを見るのが辛いと思った。それがたとえラファイエであってもだ・・・

 精霊王達は・・・仕方が無いと思っているが。

 人相手であれば誰にも譲りたくないと思った。

 俺は・・・言葉数も少なくラファイエの様に愛想が良い訳でもない。

 ロゼが不安にならないよう自分の気持ちを伝える努力をする。

 だから、この先もずっと一緒に居てはくれないだろうか」


ルシェがこんなに長く喋ったの初めて聞いたよ。いやそうじゃなくて・・・


「ルシェ、この先色々な出会いがあると思うよ。

 今私を選んでしまって後悔するかもしれないよ?」


「今俺が好きなのはロゼだ。先々の出会いなど誰にも解らないだろ。

 解らない事を考えるよりも今を大切にしたい。

 それにロゼを好きになった事を後悔するようなら俺が殴り飛ばす」


えぇぇ・・・自分で自分を殴るの?・・・いやいやそうじゃなくて・・・


なんで脱線しようとするかな私の思考。


「そうだね、先の事は誰にも解らない。もしかしたら明日死んじゃうかもだし」


『『『 おい、物騒な事を言うでない! 』』』


だって交通事故とか・・・車も電車も無いからないね。


自然災害・・・も精霊に守られたこの地はないね・・・


そうだよね、後から後悔するくらいなら・・・


「うん、私もルシェが好きだよ。ずっと一緒にいたい」


ガバッと抱き着かれた。


「よかった・・・」


『 まったくだ。これ以上かたくなであれば・・・なぁ 』


『 んむ、翁の秘薬を使うところであったぞ 』


アハハ・・・ご心配をおかけしまして・・・


ん?翁の秘薬って何? ねぇちょっと? そこ詳しく!!


あ、翁逃げないで!ちょっとぉ?!


『 ルーシエ 本当に主でいいの? ニブちんの残念な子だよ? 』


ちょっと虎徹!そのニブちんの残念な子って今言わなくても!


「そんなロゼも愛おしいのだ」


え?残念な子でいいの?! そこは否定してよ、そんな事は無いって!


『 ルーシエ 主の事よろしくニャ? 』


「ああ、虎徹と翡翠もよろしくな」


うん、和やかに挨拶してるのはいいんだけどさ・・・


いつまで抱きしめられてればいいのかな?


「もう少し・・・」


やっと想いが叶ったのだからと中々放してもらえなかった。

読んで下さりありがとうございます。

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