初日の出
新年に切り替わった朝 といってもまだ日の出前・・・
私は翁に叩き起こされたのだけども、何故?・・・
え? 初日の出を見よう?
・・・・
この世界にも初日の出を見る風習ってあるの? え?無い?・・・
じゃぁなんで? あ、もしかしてまた寝言? あぁそう・・・
眠いんだけど・・・
おかしいなぁ。
元の世界でも初日の出なんて1回くらいしか見た事無いんだけどな。
そもそも初日の出ってなんで見るんだったけ?
んー・・・
年神様(歳神様)を迎えその年の豊作や幸せを祈る
と祖母が言ってた気がする・・・たしか・・・うろ覚えだけども。
折角起きたし(起こされたんだけども)みんなで見ようかな。
って事でルシェやラファ(結局お泊りしたのよね)も起こすことに。
ってあれ?男子禁制のハズなのに翁何で入って来たの?
儂お年寄りだから大丈夫? ってなにが大丈夫なんだろう。
まぁいいや・・・
「ん~・・・まだ眠いよ・・・」
「何事だ」
2人も起こしお茶を飲みながら説明をした。
「へぇそんな風習があるんだ」
「五穀豊穣と皆の幸せか、よし見よう」
さて何処から見ようか、本当なら山頂とかがいいんだけど。
『 屋根の上では駄目か 』
屋根の上は・・・雪が積もってない?
『 溶かせばよかろう 』
なるほど、じゃぁ凍らないように水気も飛ばしてね?
寒いだろうから防寒対策でしっかり着込んだのに・・・
ほんわかと温かいシールドみたいなものが張ってあったよ・・・便利だね?
やがて空が薄っすらと明るくなり オレンジ色の太陽がゆっくりと登り始める。
綺麗だねぇ。
「この1年皆が健康で楽しく暮らせますように」
と私が言えば なるほどと皆も願いを口にしていく。
「留学期間が無事に過ごせますように」
うんうん、留学中も元気に楽しめるといいよね。
「ロゼと恋仲になるよう頑張る」
ぶっ、それは心の中で思うだけでよかったのでは?・・・
『『 ルーシエの恋とラファイエ成長を見守る 』』
えぇ、それ願いじゃないよね?・・・
『 孫が見たい 』フォッフォッフォッフォッ
えぇ?! 翁? いや うるるんな眼で見られましてもね?・・・
まぁ・・・ 気にしないで・・・って気になるわよっ!
孫って翁 娘か息子がそもそも居るの? いやそれよりも伴侶さん居るの?
え、ルーシエが息子の様なもので私が娘みたいなもの?
わぁ父親が増えた~!ってそうじゃないのよ。いや嬉しいけども。
・・・なんで皆いい笑顔でこっち見てるのよ。
ホラホラ 家に戻ってお雑煮食べるわよ!
そうポチくんのお母さんがお餅を持って来てくれたのよ。たっぷりと。
ポチくんのお母さんの実家、何処かは知らないけどお米が特産品らしい。
お陰でたっぷりと堪能できる。ありがとう~~!!
なおこのお餅、よく伸びてすこぶる美味しかったんだけど
翁が大変な事になったのよねぇ・・・
翁サイズに切るよと言ったのに
「いやじゃいやじゃこのまま食べるんじゃ」
と駄々をこねてそのまま食べた結果、餅まみれと言うか餅と一体化してたのよ。
だから切ろうかっていったのにぃ・・・
読んで下さりありがとうございます。