専属が付くようで?
口を塞がれて もごもご言ってたハイディアさんだったけど
ハッとした表情をしたので気が付いてくれたみたい。
コクコクと頷いたのを確認してラファイエくんが手を放していた。
「ごめんなさい。取り乱してしまったわ」
そう言いながらも キッ!とルーシエくんを睨んでいた。
「あのねハイディアさん。
別に誰かがどうのっていうのは無いの。
元の世界ではね、私働いて収入を得て一人暮らしをしていたの。
だからね、ここでも同じように暮らしたいなぁと思って。」
「うーむ・・・ そうは言ってもなぁ。」
「ねぇバルド。
ロゼの意思を尊重してあげましょう?」
「だがなぁ・・・」
「心配なのも判るけど・・・
あ!じゃぁこうしたらどうかしら。
1ヵ月は此処に居てこの国の暮らしに慣れてもらってからならどう?」
「ふむ、そうだな。
では1ヵ月、この国いや この町での生活や習慣に慣れて
生活する上での知識を身に着けてからはどうだろう。」
1か月・・・
確かに行き成り一人暮らしってのにも無理があるかも?
一般常識、お金の価値や物価なんかも違うだろうし。
よし、ここはお言葉に甘えさせてもらおう。
「では・・・1か月お言葉に甘えてお世話になります。
バルドさんアルテイシアさん、ありがとうございます!」
「あら水臭いわ。 私達はロゼを家族として迎え入れるつもりだったのだから
もっと甘えてくれてもいいくらいよ?」
「あぁ、お父様 と呼んでくれてもいい」
お・・・お父様? こんなイケメンが?・・・
ちょ・・・ちょっと無理かも。 ドキドキし過ぎる!
「ふふっ お母様 でもいいのよ?」
「じゃぁ私はロゼ姉様と呼ぶわ!」
「ロゼ、私達を この世界での家族だと思ってはくれないか?
君がこの世界で暮らすにあたり、家族として支えていきたい。
今すぐにとは言わないから 考えてみてくれないか。」
うっ・・・
ハイドさんとアルテイシアさんの思いがけない申し出に涙腺が緩みそうになる。
必要とされて呼ばれてこの世界に来たんだけど
こんなにも温かく迎え入れて貰えるとは思ってなかった。
家族にと言われるとも思ってなかった。
でも王族って事になるしなぁと 戸惑っていたら
「国王と言うよりも村長程度に思ってくれていいのよぉ?」
とアルテイシアさんに言われた。
いやいや村長って・・・。
「暮らしてみればわかるさ」
ルーシエくんに言われて それもそうかと思った。
この家・・・屋敷には図書室もあるから
気になる本があれば自由に呼んでもいいと言われた。
何か解らない事や用事があれば 使用人に聞けばよいとも言われた。
使用人・・・メイドさんとか執事さんとかですかっ!
ちょっと目が輝いてしまったかもしれない・・・
「そうだな、明後日なら俺が空いているから
町や牧場に出掛けてみるか?」
ルーシエくんが案内を申し出てくれたので、有難く受けることにした。
どんな町並みでどんな物を売っているのだろう。
牧場には何がいるんだろう。 牛? 馬? 羊? 山羊?
あぁ楽しみになってきた!
その後はルーシエくん ラファイエくん ハイディアさんの3人に
屋敷内の案内をして貰った。 うわぁさすがに広いよね。
覚えるまでは迷子になりそう。
「大丈夫だよ、専属メイドを1人付けるから」
専属メイド・・・ なんか恐れ多い気がするんですけど?!
でも迷子になりたくないし解らない事だらけだし
ありがたくお世話になろう。
『 僕にも 専属ブラッシング係 いる 』
え?・・・
『 私にもいるニャ 』
えぇ・・・ マジかぁ。 凄いな王家!
『『 アルテイシアママ!! 』』
ぶっ・・・ 待って。アルテイシアさんなの?!
あんた達 王妃様に何させてんのさっ!
『 誰にも譲らないわよ!て言ってたニャ 』
あー・・・アルテイシアさんが・・・ あぁそうですかぁ。
アルテイシアさんもモフモフ好きだったかぁ~。
と、やっぱり声に出ていたみたいで 3兄弟はケラケラ笑っていた。
読んで下さりありがとうございます。




