虎徹はいいよ
目覚めれば枕元にはプレゼントが置いてあった。
ルシェからはペンダント。銀細工のロケットになっている。
小振りだから普段使いによさそうだ。
ディーヴァからは柘植の櫛。よく柘植なんてあったね。
柘植の効果を知っててこれにしたのだろうか、ありがたい。
クレハからはなんだろう? クリーム?ワックス?
カードには手荒れを気にしていたのでと書いてある。なるほどハンドクリーム!
そして・・・ヘッドボードに取り付けられた小さな靴下の中には
翁からであろうピアスが入って居た。猫と犬のデザインが可愛い。
皆きっと 良い子にはサンタがプレゼントを持って来る
と話したのを覚えていてくれたんだろうなぁ。私も後で渡さないとね。
その前に・・・問題のこれよこれ。
虎徹から聞き出したのはいいけど・・・どうすればいいのよ。
人が寝てる間に皆で口付け?・・・宿り木吊るして?・・・
宿り木の話なんて私したかなぁ・・・
『 クレハの誘導尋問に寝言で答えてたニャ 』
また寝言? 寝言で会話が成立するもんなの? えぇぇ・・・
うん、これはもぉ夜間立ち入り禁止にしよう、そうしよう。
と身支度を整え・・・ちょぉぉぉっとまって。
誰よ首筋に痕つけたの?! うわぁ・・・ハイネックで隠さないと。
身支度を終えてリビングに向かえば・・・
「おはようロゼ」
ラファ?! え?なんで? 雪の中来たの?
「お、おはよう? どうしたの?」
「今日はクリスマスをやるからって招待状貰ったんだけど」
ん? 招待状?? 誰が作って出したのよ?
あ、クレハが視線を反らした。なるほどクレハが犯人ね・・・
「そうだ、ロゼちょっといいかな?」
「どうしたの?」
ちょいちょいと手招きされたので近づけば 頬にチュッとされ・・・・た?
な、なななな、なに?! いきなりなんなの?!
「え? 皆昨夜し・・・もごもごもがっ」
うん、一斉にラファの口押えても遅いね、虎徹から聞いてるからね。
『 虎徹 裏切者ー! 』
はいはい、虎徹に文句いわないでねー。そしてラファの口解放してあげてねー。
朝食後 私は皆に言い渡した。
「今後私の部屋は男子禁制! こっそり忍び込まないように!」
『 む、それだと翡翠とフラウ以外入れぬではないか! 』
『 僕もなの? 』
「虎徹はいいよ、去勢済みだし」
『 わぁい。主と一緒 』
『 僕達も駄目なの? 』
『 なにょ? 』
うっ・・・手の平ーズ可愛いけども・・・
「だーめっ! 去勢するならいいけども」
『 去勢ってなぁに? 』
『 に? 』
「たまちょんぱ」
『 たまちょんぱ?・・・ 』
『 ぱ? 』
コソコソッと虎徹が教えているみたいで手の平ーズは自分と虎徹を見比べて
パッと手で隠し
『 ない!だめ! 』
『 め! 』
だよね? じゃぁ大人しくルシェと寝るか自分の家に戻ってね?(にっこり)
読んで下さりありがとうございます