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閑話:寝言と3人衆

スヤスヤと眠るロゼに忍び寄る影が3つ。


ディーヴァ・クレハ・ルーシエ である。


けして夜這いなどではない。では何をしているのか。


『 ロゼは寝ておるか 』


『 うむ、これならば大丈夫であろう 』


ロゼに贈り物を用意したこの3人衆。


ロゼが話していた【良い子にはサンタクロースが贈り物をくれる】を実践すべく


寝室へやって来た訳なのだが


『 む、靴下が見当たらぬ 』


『 枕元でも良いのでは 』


「手早く置かないと。起こしたらまずい」


小声で話してはいるものの、いつロゼが目を覚ますかと気が気ではない。


「ふふっ」


ロゼの笑い声にビクッとなる3人衆だったが


『 寝言か 』


ニヤリと企んだのはクレハ。


『 ロゼ クリスマスは特別な日だと聞いたが

  恋仲な相手とも特別な何かがあるのか? 』


「ん~?・・・

 恋人~? 恋人がさんたくろぉ~♪」


((( 歌?? そんな歌が? いやそうではなく・・・ )))


『 特別な夜に特別な相手とどう過ごして居たのだ? 』


それは気になる、気になるけど聞きたい様な聞きたくない様な・・・


ルーシエは葛藤をする。


「特別な相手ぇ~? むにゃむにゃ

 ん~、西洋にはねぇ~ 宿り木の電鉄ってのがあってねぇ~?」


((( 電鉄?! 電鉄とはなんぞ? )))


「ちなーう、電鉄じゃないやぁ 伝説ぅ~」


『 してそれは如何様な? 』


「えーっとねぇ~

 クリスマスでは宿り木の下に立っている女の子に

 口付けてもよいって風習があったりぃ~」


((( なんだと?! )))


「宿り木の下で口付けを交わした恋人達はぁ~永遠に別れないって

 言い伝えがあったりす・・・すぴぃ~」


3人衆は顔を見合わせそっと部屋から出でリビングに戻る。


『 クレハ・・・ 』


『 解っておる、探してくればよいのだな 』


「しかい相変わらず見事な寝言だな」


もはや寝言でもないような気がしなくもない。


『 見つけて来たぞ 』


「早いな、だがよいのだろうか』


『 正攻法でロゼがすんなり許すとは思えぬ 』


「確かに。だが」


『 バレなければよいのだ 』


『 んむ 』


『 不安ならルシェは来ずともよいが 』


「2人だけは駄目だろう」


『 ならば余計な心配はするでない 』


『 先手必勝 男は度胸! 』


「・・・ わかった」


と息をひそめ再びロゼの寝室へ進入する3人衆。


しかし彼らの目に飛び込んだのは 安らかなロゼの寝顔ではなく・・・


( 翁?! )((老公?!))


小さな手に小さな宿り木を携え ロゼの額に口付ける翁の姿。


叫びそうな衝動に必死で口を押える3人衆。


何してくれてんだこの翁!


( ふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっ )


ディーヴァが翁をむんずと掴み


バケツリレーの如くクレハ・ルーシエの順に手渡して部屋の外へと追い出す。


そしてベット近くの壁に宿り木を吊るし、順にそっと口付けを落としていく。


3人衆は満足して部屋を後にするのだが・・・


証拠隠滅を忘れていることに気付かないのであった。



翌朝 目覚めたロゼはベット傍の壁に吊るされた宿り木を見て疑問に思う。


何故ここに宿り木が?・・・


『 主 寝言で宿り木のチュー。 皆それやった 』


『 馬鹿ねぇ、それ言わなくてもいい事ニャ 』


「ちょ、それどういう事?詳しく虎徹!!!」


その後3人衆は こってりとお説教をくらったとか。

読んで下さりありがとうございます。

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