僕負けない
ふふふ・・・
わぁい、一面雪景色~♪
ってそうじゃない!
「こらぁぁぁ! 虎徹!!」
いやね? 朝から皆でクッキーを作ってたのよ。精霊祭用の。
粉を振るっている時にね? 虎徹がね? ぶつかって来てね?
ここまで言えばもぉ察して貰えるよね?
ふふふ ハハハ 舞い散る小麦粉で一面雪景色の出来上がりよねー・・・・
小麦粉ってさ粒子が細かいから掃除が大変なのよ・・・
まったく何してくれてるのよ虎徹。
『 だって翡翠が・・・ 』
『 しらないニャ 』
わふわふ うにゃにゃにゃ うるさい!
「これはまた・・・派手にやったな」
「あ、ルシェ。気を付けてね。アチコチ粉だらけになってるから」
「ああ、大丈夫だすぐ片付ける」
パパッとクリーン魔法で片付けてくれた。便利だな魔法・・・
「ありがとう」
『 どれ。虎徹は我が散歩にでも連れ出そう 』
うん、助かるよ。ありがとうディーヴァ。
一旦落ち着いたのでクッキー作り再開。
妖精用の小さいのや虎徹や翡翠でも食べられる無糖の物
紅茶風味のと数種類作った。カカオがないのが残念だけども。
型抜きがあればもっと楽だったんだけどね、無いから果物ナイフで頑張った。
星の形やジンジャーブレッド風。猫と犬の形も頑張ったわよ・・・
さすがに妖精用のは小さすぎて星型しか無理だったけど。
まぁほとんどは丸か四角なんだけど、そこが我慢して貰って・・・
後はラッピングかぁ。 可愛い布は用意してあるからすぐ出来そう。
「そう言えばロゼ。クリスマスでは何か特別な料理を食べたりするのか?」
「そうだねぇ、チキンやターキーの丸焼きを食べたりするらしいんだけど
一般家庭だと腿肉に焼いたのとか唐揚げかなぁ。
ローストビーフとかも。まぁ普段よりはちょっと豪華って感じかなぁ。
精霊祭では何か特別な料理があるの?」
「クグロフと言うパンのようなものがある」
クグロフ? 名前が同じだけかな?と思って聞いてみればどうやら同じ物っぽい。
ただシナモンを効かせるのがこちら風らしい。なるほど、作ってみようかな。
ドライフルーツもナッツ類もあるしね。
「他は羊肉をワインで煮込んだ物くらいか」
なるほど、じゃぁそれも作ろう。他はサラダとグラタンでいいかな?
よし、メニューも決まったし。羊肉は・・・
『 僕 お使い 行く! 』
ナディ? 大丈夫? 行ける??
『 アルパイン出来る 僕だって出来る 僕負けない 』
なにも山羊に対抗しなくても・・・
まぁでもせっかくの申し出だしお願いしようかな。
メモとお金を籠に入れて小型牛姿のナディに渡し見送る。
初めてのお使い・・・誰かカメラないの?! 様子見たいんだけど!
まぁある訳ないので諦めるしかないよね。
そして無事お使いを終えて戻って来たナディは マフラーとベストを着ていた。
『 寒いからって プレゼントって おばぁちゃんくれた 』
あらら、お店のおばぁちゃんに貰ったのね。春になったらお礼いわないと。
メニューも決まったし安心してこの夜はぐっすりと眠れた。
でもね・・・
安心しすぎて、うっかり寝言で余計な事をいったみたい・・・あはは はぁ。
読んで下さりありがとうございます。