閑話:ルーシエと精霊3人衆
本編には関係の無い息抜きストーリーです
『 クリスマスには互いに贈り物を贈り合うらしく 』
『 ロゼには何がよかろうか 』
『 ・・・ 』
「俺はペンダントを作ろうかと」
『 ペンダントを? 』
『 指輪ではなくてか 』
「指輪は恋仲になってからがよいかと」
『 ルーシエ 其方まだ申し込みをしておらぬのか 』
「どう切り出せばよいのか解らんのだ」
『 好意はすでに伝えたのであろう? 』
「ああ」
『 ふむ、クレハ何かよい案は? 』
『 我に聞かずとも・・・ 老公何かよい案は? 』
儂?! と驚き自分を指差す翁。
『 老公であれば経験豊かであろう? 』
顎鬚を撫でながら翁は考える。
はて色恋とやらとはとんと縁がなく・・・どうしたものか。
自分であればどうするか・・・ うむむと唸る翁。
儂とロゼであれば・・・
『 儂の孫にならぬかの? 』
『 老公 それでは参考にならぬではないか! 』
『 ルーシエの齢を考えて無理であろう 』
『 儂の家族になってたもれ? 』
「それはすでに父上と母上が言った」
うぬぬ・・・
「そもそもロゼが俺を好いてくれているのかも解らない」
『『『 好意は持って居ると思うのだが? 』』』(精霊3人衆心の声)
「聞いてみるか。 よし当たって玉砕してくる」
『 まてまてまてまて 玉砕しては駄目であろう 』
「では砕け散って・・・」
『 まてぇーいっ!! 何故そう振られる前提なのだ 』
「駄目か?」
『 其方 ロゼと恋仲になりたいのであろう? 』
「ああ だが・・・ロゼに想い人がいるかもしれない」
『 居ればここで其方と冬越えいたさぬであろう 』
「そうか」
『 あいわかった、まず手を繋ぐ事からいたせ 』
「手・・・」
『 次にそっと肩を抱き寄せるのだ。こうやって 』
と手本としてルーシエの方を抱き寄せるクレハ。
『 そこで見つめ合って囁く 』
「好きだ」
ぽっ・・・
『 我にゆうてどうする! 一瞬照れてしまったではないか! 』
「クレハ 可愛いな」
ぽぽっ・・・
『 だから我を口説いて・・・まさか其方・・・ 』
「そう言う趣向は持ってない、安心しろ」
『 紛らわしい! そのセリフをロゼに言えばよかろう 』
「何度かは言った」
『 それで? その後は? 』
「お互いを知る所からと」
『 逢引きはしておるのか? 』
「冬は無理だな」
『 そうであった、さすがにこの雪では 』
『 いや降っておらねば庭で星見でもすればよい 』
『 カマクラでもよい 』
「だか2人きりになるのは困難だと思う」
『 何故 』
「君達も居るだろ」
『『『 ・・・・ 』』』
そう、なんだかんだと心配しておせっかいなアドバイスをする割には
邪魔もしていると自覚の無い精霊3人衆であった。
果たしてルーシエがロゼと2人きりでゆっくり出来る時間は取れるのか。
チョイチョイ・・・ 手招きする翁
『 秘伝の眠り薬じゃ、これをあやつらに・・・ 盛れ! 』 コッソリ
「えぇ・・・もごもごもがっ」
『 静かにせぬか! 効き目はほれこの通り 』ゴクッ ンゴォー ズピィー
「まてまてまて おい翁 ここで寝るな 起きろ おいっ」
結局はバレてしまうのだが・・・
頑張れルーシエ 負けるなルーシエ
そう思いながら翁の眠り薬をこっそり持ち去るタマモであった。
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